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2012 年度 実績報告書

胎盤のアロマターゼが性差発現に果たす役割についての個体発生・系統発生学的研究

公募研究

研究領域性差構築の分子基盤
研究課題/領域番号 23132503
研究機関千葉大学

研究代表者

生水 真紀夫  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30226302)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード胎盤アロマターゼ / 進化 / 性分化 / アンドロゲン / エストロゲン
研究実績の概要

胎盤のアロマターゼは外界のアンドロゲンを処理して胎児を環境アンドロゲン(ノイズ)から守ることで、内因性アンドロゲンによる性分化を保証しているとの仮説を検証するための研究を実施した。マウス、ウシ、イヌ、イルカ、ブタ、マーモセット、アカゲザル、ヒトの胎盤を入手し、それぞれの胎盤アロマターゼ活性とテストステロン値を測定した。その結果、テストステロン値はアロマターゼ活性と正の相関を示すことができた。一方、DHEAS 値とは相関しなかった。このことから、テストステロンを処理するためにアロマターゼが発現しているとする仮説が支持された。次に、それぞれの種の胎盤アロマターゼの発現プロモーターを検索した。その結果、マウスではPIIが、霊長類以外のその他のほ乳類では1f・I.2・ I.4に相当する性腺外プロモーター群が発現プロモーターになっていたのに対し、霊長類ではI.1(I.1)が特異的に発現していた。胎盤のアロマターゼ活性が、進化と共に増加しているという観察結果と併せ、妊娠期間が延長して性分化が胎児期に行われるようになったほ乳類では、胎盤にアロマターゼを発現させる必要が生じ、様々な既存プロモーターを駆使してアンドロゲン処理を行ったこと、霊長類では大量のDHEAS処理の必要が生じたために強力なプロモーターを新たに獲得したと推定された。ゲノム解析の結果、このプロモーターは4000万年前の真猿類の時代に内因性レトロウィルスの増殖によって生じたLTRの挿入によるものであること、その後の狭鼻猿類への進化に伴って生じた遺伝子変異により現在のI.1のスプライシングドナーサイトを獲得したことなどが明らかになった。霊長類でもアロマターゼの発現が不十分な一部の種では、性分化の破綻が生じていることが確認された。以上より、霊長類の進化に伴い、性分化と胎盤アロマターゼの共進化の一端を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] Symposium 2 Non-androgenic steroids in the male : Organisation, function and relationship of aromatase promoters2013

    • 著者名/発表者名
      Makio Shozu and Tatsuya Kobayashi
    • 学会等名
      10th International Congress of Andrology (ICA)
    • 発表場所
      Melbourne Convention Exhibition Centre, Australia
    • 年月日
      2013-02-23 – 2013-02-26
    • 招待講演
  • [学会発表] 女性のライフサイクルとエストロゲン-アロマターゼとのかかわり-2012

    • 著者名/発表者名
      生水真紀夫
    • 学会等名
      第27回日本女性医学学会学術集会
    • 発表場所
      山形国際ホテル(山形)
    • 年月日
      2012-10-13
    • 招待講演
  • [学会発表] 著明な男性化兆候を示した卵巣顆粒膜細胞腫の1例2012

    • 著者名/発表者名
      河原井麗正、石川博士、碓井宏和、川野みどり、金谷裕美、藤田真紀、岩本雅美、清川貴子、生水真紀夫
    • 学会等名
      第11回千葉内分泌・代謝懇話会
    • 発表場所
      千葉大学医学部(千葉)
    • 年月日
      2012-08-09
  • [学会発表] アロマターゼの進化:なぜ胎盤で発現したか?2012

    • 著者名/発表者名
      生水真紀夫
    • 学会等名
      東京医科歯科大学大学院特別講義
    • 発表場所
      東京医科歯科大学MDタワー(東京)
    • 年月日
      2012-05-18
    • 招待講演

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公開日: 2018-02-02  

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