研究概要 |
1.アクティブ照明を用いた分光画像計測システムの構築 経費によりアクティブ分光照明装置を追加購入して,物体の質感を計測するために実用的な光源強度と照射範囲が得られる並列照明システムを構築し,較正アルゴリズムを開発した。 2.HDR高速カラーカメラを用いたカラー画像計測システムの構築 シーン中の物体の質感計測を目的として,物体のカラー情報をHDR高速カメラで獲得するシステムの構築に着手した.16bitで1024×768の範囲の情報取得を目指して開発継続中である. 3.質感保持の実時間トーンマッピング法の開発と質感の実時間解析 質感を保持しながら実時間でトーンマッピングを行い,LDRモニタに再現する手法を開発中である.オフライン処理による評価は,良好な結果が得られている. 4.質感情報を保持したColor-to-gray変換法の開発と解析 カラー画像に対して,質感を保持しながらモノクロ画像へ変換を行い再現する手法を開発中である. 5.質感の違いによる色名応答の解析 3DCGで質感のあるレンダリング画像を利用した色名調査システム構築を行い,心理物理実験によって2Dと3Dの違いが色名応答へ及ぼす影響を明らかにした. 6.偏光と分光を用いた質感の異なる材質識別 次年度以降に実施予定であった材質識別を行った.偏光と分光の双方の情報を獲得できるイメージング系を構築し,獲得シーンのオブジェクを誘電体,金属,その他に質感識別するアルゴリズムを開発した. 7.版画の質感を保持したレンダリング 次年度以降に実施予定であったレンダリング応用を行った.油彩画などとは異なる版画特有の特徴を利用Lたレンダリングアルゴリズムを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計測システムの構築に関して,計画の仕様を満たすために一部のシステムは開発途中であるが,おおむね計画通り進んでいる.アルゴリズムの開発は2年計画で遂行しており,おおむね順調に進んでいる.次年度以降に予定していた材質識別のシステム構築とアルゴリズム開発,および版画のレンダリングに関しては前倒しで着手して,成果が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,照明環境システムの構築を計画している.既に,今年度の予算で一部機器を購入し,特性計測を開始しており,計画通り遂行予定である.アルゴリズム開発は継続して進める.評価方法に関して,心理物理実験による主観評価が中心となるが,質感に関する客観的な評価の構築を目指しながら進める.
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