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2011 年度 実績報告書

質感認知とその障害の分子・神経メカニズム

公募研究

研究領域質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究
研究課題/領域番号 23135532
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

南本 敬史  独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (50506813)

キーワード神経科学 / 脳神経疾患 / 薬理学 / 分子イメージング
研究概要

うつ病を患うと、「見るもの全てが灰色に見える」かのごとく、主観的にネガティブな質感認知を伴うことが知られている。この質感認知の障害が、セロトニン機能異常によるものであるという仮説を立て、これを検証することで、質感認知の分子・神経メカニズムの解明に貢献することを目的とする。
平成23年度は、3頭のマカクサルを対象に行動課題を実施し、空間周波数の異なるGaborパッチの白黒コントラストの検出閾値を同定した。過去の報告通り、空間周波数が小さくなるにつれて、閾値が低くなることが確認された。コントラスト検出とセロトニンとの関係について、特に、一次視覚野で発現が多いセロトニン5HT_<2A>ならびに_<1B>受容体に着目した。まず、セロトニン5HT_<2A>受容体の阻害剤であるM100,907(0.1mg/kg, i.m.)を投与した状態で行動課題を実施し、閾値を測定した。結果、検出閾値には3頭に一貫した影響は観察されなかった。同じ投与量下において、5HT_<2A>アンタゴニストリガンドである[^<18>F]Altanserinを用いPETスキャンを行い、baselineと比較して結合能が著しく減少していたことから、M100,907の投与量は適切であることが確認された。従って、セロトニン5HT_<2A>受容体はコントラスト閾値感受性に無関係であると考えられる。
今後、5HT_<1B>受容体阻害剤を投与することで、同受容体の閾値感受性に対する関与を確認する予定である。さらにサルをうつモデル(甲状腺機能低下症状態)にすることで、白黒のコントラスト感受性が低下するかを検証する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H23年度の計画である、コントラスト感受性の定量評価法が確立し、実際に3頭の動物で閾値を定量した。さらに、セロトニン受容体の関与を確認する実験も進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後、5HT_<1B>受容体阻害剤を投与することで、同受容体の閾値感受性に対する関与を確認する予定である。さらにサルをうつモデル(甲状腺機能低下症状態)にすることで、白黒のコントラスト感受性が低下するかを検証する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 単一行動の実行を決める動機価値2011

    • 著者名/発表者名
      南本敬史
    • 学会等名
      第30回日本基礎心理学会大会シンポジウム「選択・価値・戦略-強化をめぐる行動研究の展開と展望」
    • 発表場所
      慶応大学日吉キャンパス
    • 年月日
      2011-12-04
  • [学会発表] Molecular imaging for motivational function and dysfunction2011

    • 著者名/発表者名
      南本敬史
    • 学会等名
      第34回日本神経科学学会企画シンポジウム「分子イメージングと神経科学」
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-09-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.nirs.go.jp/seika/brain/team/system_09.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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