公募研究
不整脈発症と性差との関連を定量的に解析することを目標とし,膜マイクロドメインに局在化した性ホルモンシグナルによる心筋イオンチャネルの制御と不整脈との関連について定量的なwetデータを提出してコンピューターシミュレーションに導入することを研究の目的とした.前年度までに,電気生理学的実験からNOとcAMPの相互作用は脂質ラフトに局在するPDE2であることを示したので、今年度は心筋培養細胞もしくは新生児マウス心室筋細胞にcAMPセンサーを発現させ、cAMPシグナルに対する性ホルモンの作用を解析した。膜マイクロドメインでcAMPシグナルへの作用が異なる可能性を調べるために,ラフトもしくは非ラフトに局在化するタグを付加したcAMPプローブを採用した.どちらのプローブもβアドレナリン性刺激による細胞内cAMP上昇に反応してFRETシグナルが増大した.一方,βアドレナリン性刺激により増大したFRETシグナルは,性ホルモン(プロゲステロン)添加により,ラフト局在型プローブでのみPDE2依存的に減少した.よって,βアドレナリン性受容体と膜局在型プロゲステロン受容体を介したシグナルのクロストークでは,膜ラフト依存的な膜マイクロドメイン内で局所に細胞内cAMPが調節されていることが示された.生きた細胞で膜マイクロドメインごとのcAMPシグナルを切り分けることに成功し,今後はこの結果をコンピューターシミュレーションに導入していきたい.また,性ホルモンで調節されるIKsチャネルの膜マイクロドメインについて、KCNQ1の免疫沈降物をプロテオーム解析を行い,機能解析の候補分子を得た。さらに,データーベースからのマイクロアレイ解析による性差解析に着手した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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