今後の研究の推進方策 |
引き続き素子の最適化を進める。ペリレンビスイミドの固体中での分子配列はイミド窒素上の置換基に依存する。現在のところはオクチル基を置換した類縁体のみしか検討していないが、今年度ではメチル基からデシル基までの長さの異なる第一級アルキル基をはじめとして、他に2-エチルヘキシル基、3-ペンチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基ならびに2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基を有する分子を用いた際の挙動を調査する。また、現段階では熱による変換のみしか検討していないが、アニーリング効果によって望まない相分離を引き起こす可能性があるため、光変換による硫黄脱離も検討する。これによりp型半導体分子とn型半導体分子が均質に混ざり合った薄膜が得られることで優れた光電変換効率が実現できると期待される。 混合膜が得られた後は、AFM観察、TEM観察、X線回折測定ならびに紫外可視吸収分光による解析を実施し、イミド窒素上の置換基の違いが凝集度と分子配列に及ぼす影響を評価する。さらに、得られた素子の光電変換特性を測定することで、優れた移動度を達成する条件(変換時の刺激 ・置換基・ドナーとアクセプターの混合比率)を解明する。
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