研究実績の概要 |
【細胞のセットアップ】1)正常ヒト皮膚由来の線維芽細胞(NHDF)とDNA修復遺伝子変異を持つ色素性乾皮症, コケイン症候群,ブルーム症候群の患者皮膚由来線維芽細胞の活性を計測した。NHDFと比べ患者由来細胞は増殖スピード低下、H2O2暴露による細胞老化促進が確認された。2)ヒト奇形腫由来多能性幹細胞NTERA2、マウス8細胞~桑実胚前後の未分化細胞、マウス肝臓由来肝細胞、マウス脳由来神経細胞の培養を行った。ヒトおよびマウスの間葉系幹細胞やMuse細胞等の体性幹細胞とヒトiPS細胞を樹立・培養を行った。 【光の散乱・ゆらぎの解析】1)ミトコンドリアなどの細胞小器官マーカーで蛍光染色した正常細胞(NHDF)、病的細胞(コケイン症候群患者皮膚由来線維芽細胞)、がん細胞(ヒト肝癌細胞HepG2など)、未分化幹細胞(ヒト多能性胎生期癌細胞NTERA-2)、体性幹細胞(Multilineage-differentiating stress enduring (Muse)細胞)をマルチモーダルホログラフィック顕微鏡によって細胞内の屈折率と各細胞小器官マーカーの蛍光を測定した。その結果、エンドソームやリソソームなど一部の細胞小器官マーカーとオーバーラップする三次元の屈折率分布を同定することができた。2)顕微動的光散乱装置にて正常細胞、がん細胞、未分化幹細胞を生細胞または固定した細胞の動的光散乱を測定し、現在、解析を進めている。 【遺伝子発現等の解析】Muse細胞と骨髄間葉細胞を単一細胞RNA配列やmicroRNA解析を行った。Muse細胞でp53 repressor, EGFや VEGF等の受容体, 解糖系と酸化的リン酸化、Let-7ガン抑制性microRNA等が高かった。現在光の散乱・ゆらぎの解析結果と相関があるかを解析中である。
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