研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
23H04179
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
長井 淳 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (60892586)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | グリア / エングラム / アストロサイト / 精神 / 病態 |
研究実績の概要 |
中枢神経系全体に存在するグリアの一種アストロサイトは、動物行動に応じて活動を変化させることが知られている。しかし、具体的にどの部位のアストロサイトがいつ・どこで活動を示すかについて、特に全脳レベルの解析は未だ成されていない。本研究課題は、多様な学習アッセイを用いることにより、学習パターン別のアストロサイト活動をマッピングし操作することにより、その機能的意義を明らかにすることを目的としている。この目的を達成するために、ウイルス遺伝工学や薬理遺伝学的手法を基軸に、マウス行動試験、免疫組織学を組み合わせたアプローチを採用している。初年度目にあたる今年度では、多領域アストロサイト活動をプローブする系を用いて、様々な学習アッセイ中マウスにおける全脳かつ単一細胞の分解能で、アストロサイト活動のマッピング行った。具体的には、電気ショックを用いた嫌悪学習および覚醒剤を用いた報酬学習を伴うマウスモデルを用いた。その結果として、それぞれの学習固有のアストロサイト活動分布が明らかになった。さらに、学習に応じたアストロサイトの活性化機構を解明するため、活動アストロサイトタギングのニューロン活動依存性を検証した。具体的には、ニューロン特異的なchemogenetic activationおよびinactivationを行い、学習に伴って活動タグされるアストロサイトの数が増減するかを検証した。これらの知見は次年度に行うアストロサイト活動の機能解析の重要な基盤となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度目である今年度おいて、異なる学習に伴うアストロサイト活動の全脳分布が固有であることが世界に先駆けて発見された。また、これらアストロサイト活動の上流メカニズムである神経活動および伝達物質を明らかにする実験にも着手し、本年度の進捗としては十分であったと評価している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、初年度に取得した全脳アストロサイト活動分布から見出された特徴的な脳領域に着目し、アストロサイト活動の上流メカニズムである神経活動の解明を目指す。また、当該アストロサイト活動の下流メカニズムを、オミクス解析を駆使して進める。以上のように、学習別のアストロサイト活動をマッピングし、上流や下流メカニズムを操作することによりその機能特性を明らかにすることを目的として、研究を進める。
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