研究領域 | マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界 |
研究課題/領域番号 |
23H04249
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松尾 芳隆 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00725252)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | リボソーム / 品質管理 / SRP / 分泌系タンパク質 |
研究実績の概要 |
翻訳の伸長反応は、ペプチド鎖のフォールディングや細胞内小器官への配送などと共役しており、その異常は不良タンパク質の産生に直結する。細胞はこれを回避するために、異常な翻訳伸長を感知し、強制的に翻訳を終結させる品質管理機構(RQC:Ribosome-mediated Quality Control)を備えている。本研究では、RQCの標的となる内在性異常翻訳の実体を明らかにすべく、分泌系タンパク質の共翻訳的な小胞体膜への配送における非典型的な翻訳終結反応の分子機構とその生理機能の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分泌系タンパク質の共翻訳的な小胞体膜への配送における非典型的な翻訳終結反応の分子機構の解明を目指し、SRPの結合によってRQCがキャンセルされる仮説の検証を進めている。 テイルアンカー型を除く分泌系タンパク質の大部分は、SRPを介して共翻訳的に小胞体膜へと配送される。その補助機構として、分泌系タンパク質をコードするmRNAには翻訳の一時停止を誘導するレアコドンクラスター(REST)がコードされており、このRESTによってリボソーム同士の衝突が生じていることが証明されている。つまり、RESTで停滞したリボソームはRQCの標的となりえる特徴を有している。一方で、小胞体への配送に異常がない場合、どのようにしてRQCから逃れているのか?その機構は不明のままである。 本年度は、SRPの結合を識別する新たな翻訳停滞を発見した。
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今後の研究の推進方策 |
分泌系タンパク質の共翻訳的な小胞体膜への配送における非典型的な翻訳終結反応の分子機構の解明を目指し、SRPの結合によってRQCがキャンセルされる仮説の検証を行う。テイルアンカー型を除く分泌系タンパク質の大部分は、SRPを介して共翻訳的に小胞体膜へと配送される。その補助機構として、分泌系タンパク質をコードするmRNAには翻訳の一時停止を誘導するレアコドンクラスター(REST)がコードされており、このRESTによってリボソーム同士の衝突が生じていることが証明されている。つまり、RESTで停滞したリボソームはRQCの標的となりえる特徴を有している。一方で、小胞体への配送に異常がない場合、どのようにしてRQCから逃れているのか?その機構は不明のままである。今後も引き続き、SRPの結合によってRQCがキャンセルされる仮説の検証を進める。
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