研究領域 | データ記述科学の創出と諸分野への横断的展開 |
研究課題/領域番号 |
23H04470
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南谷 英美 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00457003)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | パーシステントホモロジー / 機械学習ポテンシャル / アモルファス |
研究実績の概要 |
トポロジカルデータ解析を物性予測に結びつける試みを進め、パーシステントホモロジーから得られた情報を機械学習モデルの入力にすることで、アモルファス物質のポテンシャルエネルギーを予測する手法を開発した。特に、パーシステントホモロジー群の計算過程で得られる、サイクルの生成時刻と消滅時刻を2次元散布図の形で表現したパーシステンス図の活用に注力した。構造の情報から機械学習モデルによってポテンシャルエネルギーを予測する機械学習ポテンシャルでは、予測結果について、座標系の回転・並進や同種原子の入れ替えといった対称操作に対して不変性が要求される。アモルファス物質の構造から得られるパーシステンス図は、これらの対称操作に対して不変であるという特徴を持つため、機械学習ポテンシャルの入力に適していると考えられる。 これを実証するために、アモルファスカーボンについて、第一原理計算を用いて様々な構造とエネルギーのデータセットを作成し、パーシステンス図を畳み込みニューラルネットワークの入力とすることを試した。その結果、従来の機械学習ポテンシャルと同程度の精度でエネルギーの予測が可能であることが確認できた。 さらに、パーシステンス図が抽出している構造特徴の特徴量空間における分布が、グラフニューラルネットワークで抽出されているものと類似していることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習ポテンシャルへの応用可能性を実証することができたため、概ね順調に進展している
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究では1種類の元素のみが含まれる材料を対象としていた。実際の材料では複数の元素が含まれる場合が多い。複数の元素が含まれる場合にも、同様にして機械学習ポテンシャルの入力にパーシステンス図が使えるか、また、従来型の機械学習ポテンシャルの補助入力としてパーシステンス図が用いられるかを探る。
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