研究領域 | 「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革 |
研究課題/領域番号 |
23H04519
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
野村 悠祐 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (20793756)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 機械学習 / 変分法 / 最適化 / 制限ボルツマンマシン / 量子多体問題 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、人工ニューラルネットワークによる量子状態表現手法をさらに高度化するための学理の研究と手法開発に取り組むことが目的である。本年度は特に後者の手法開発の面において成果が出たので報告する。
人工ニューラルネットワークは普遍近似性能をもち、ネットワークのサイズが無限大の極限でどのような量子状態も任意の精度で表現できることがわかっている。しかしながら、実際の計算においては、ネットワークのサイズを大きくしていくことによる表現能力の向上と、学習(パラメータの最適化)の容易さにはトレードオフのような関係が存在する。そのため、ネットワークのサイズが大きい領域では最適化が安定でなく、人工ニューラルネットワークの性能が十分に引き出せないという問題があった。そのため、より効率的な最適化手法の開発は急務となっていた。
本年度はこの問題に対し、パラメータの数が多い場合でも、効率的に最適化が行える手法であるminSR法の実装に取り組んだ。その上で、人工ニューラルネットワークの一種である制限ボルツマンマシンを用いて基底状態を近似するためのパラメータの最適化にこのminSR法を適用した。その結果、確かにパラメータの数がO(10^5)程度と、通常の変分法(基底状態を近似する手法)よりもはるかに多くの変分パラメータを効率的に最適化できることがわかった。また、このminSR手法の並列化にも取り組んだ結果、このプログラムをスーパーコンピュータ上で動作させることにも成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトの目標の一つである手法開発の点で成果を上げており、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今回開発に着手したminSR法を制限ボルツマンマシン以外のネットワーク、たとえばトランスフォーマー型のネットワークの最適化にも適用する。
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