研究領域 | 植物の挑戦的な繁殖適応戦略を駆動する両性花とその可塑性を支えるゲノム動態 |
研究課題/領域番号 |
23H04738
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
齋藤 貴子 静岡大学, 農学部, 助教 (10778038)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自家不和合性 / 受精 / ホヤ / 遺伝子多型 |
研究実績の概要 |
雌雄同体であるカタユウレイボヤは、自家受精を防ぐための自家不和合性を有している。精子と卵子は自他認識を行うことで自己の精子を拒絶するが、この自他認識は精子に発現する遺伝子s-Themis-A/B/B2と卵黄膜に発現するv-Themis-A/B/B2によって制御されている。これらの遺伝子は多型に富んでおり、その多型領域によって自他認識が可能となる。自己と認識した精子は、細胞外からのCa2+流入によって自己認識シグナルを誘導し、運動性及び受精能を失う。明確な自家不和合性を持つカタユウレイボヤとは対照的に、自家不和合性に揺らぎがある種や自家不和合性を獲得していない種も多く、ホヤの受精様式は多様である。 本研究では、分子多型による鍵と鍵穴の仕組みと自己認識シグナルの伝達機構を生化学・分子生物学的に検証し、配偶子間認識機構を発達させたホヤの受精機構の全貌解明を目標としている。さらに、複数種のホヤを用いてその自家不和合性機構を分子構造と分子進化的側面から解析し、動植物に共通する新たな知見を得ることを目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長年の課題であった自家不和合性分子s-Themisの検出を、免疫沈降とLC/MS/MS解析によって達成した。また、複数産地から採集したカタユウレイボヤのゲノムから新規アレルを同定し、どのように多型が産み出されたのかを探る新たなテーマとして発展した。
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今後の研究の推進方策 |
自家不和合性分子Themisの多型解析を引き続き行う。また、ホヤの自家不和合性機構を種を超えて網羅するために、各種ホヤの受精機構について、詳細な解析を行う予定である。
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