研究領域 | 法と人間科学 |
研究課題/領域番号 |
24101505
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
長谷川 真里 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (10376973)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 法教育 / 民主主義 / 社会認識 / 道徳判断 / 法的判断 |
研究実績の概要 |
本研究は、小学校高学年を対象とした法教育の授業を企画し、その効果を検証し、さらにその成果を広く一般に知らしめるものである。法教育で育成すべき資質は、多様であり総合的なものである。これまで、教育学、法学、心理学において独立して検討され蓄積されてきた知見を融合してこそ、真に子どもの発達に寄与する法教育実践が開発できると考える。本研究は、発達心理学者、教育学者、教育者、弁護士の協同により、それぞれの専門的知識と技術を用いて、法教育の実践プログラムを提案し、その効果を検証すること、また、実効性のある教案や子どもの実態把握のためのツールを公開することで、法教育の実践の議論の拡大を目指すことを目的とする。本年度は、(1)法と心理学会大会でのワークショップ開催、(2)小学5年生に対する法教育の実践を行った。(1)については、法と心理学会第13回大会(武蔵野美術大学鷹の台キャンパス)において、「道徳判断研究の最前線」と題したワークショップを開催した。話題提供者として有馬斉氏、唐沢穣氏、高橋征二氏、指定討論者として外山紀子氏に登壇いただいた。日時は平成24年10月21日、13時から15時まで(2時間)であった。(2)については、子どもにもなじみのある「集団決定」の場面を用い、「みんなで決めてよいこと/いけないこと」を、ディスカッションを通して考え、民主的な意思決定のプロセスや個人の権利の理解をはかった。また、授業を行う授業群と、同時期に授業を行わない統制群の2群を構成し、授業群と統制群それぞれについて、プレテスト(実施2週間前)、ポストテスト(直後ポストテスト、1ヶ月後ポストテスト)を実施した。同時に、授業群での授業実践をビデオに撮影し、授業時の教師と子どものやりとり、子ども間のやりとり、論点の分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度は、(1)法と心理学会大会でのワークショップ開催、(2)小学5年生に対する法教育の実践を行った。法教育の実践に対する効果分析について、授業の録画の編集、全発話プロトコルの文書化、3波の質問紙のデータ入力は終了し、2013年度、本格的に分析する。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度は、2012年に実施した法教育の効果検証、その結果に基づき小学6年生を対象とした法教育実践、およびその効果検証、シンポジウムの開催を予定している。
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