本研究は、小学校高学年を対象とした法教育の授業を企画し、その効果を検証し、さらにその成果を広く一般に知らしめるものである。企画および実施は、発達心理学者、教育学者、教育者、弁護士の協同により遂行された。2年間の研究により、(1)2種の法教育指導案を開発し、(2)児童に対する一定の効果が確認され、(3)3回のシンポジウム(うち1回は公開シンポジウム、およびウェブサイトでの概要公開も含む)が達成された。 研究1で開発した指導案は、民主主義の理解を子どもにもなじみのある「集団決定」の場面を用いて促進することを目的としたものであった。小学5年生を対象とした授業を行い、授業前後のテスト実施パラダイム(統制群を用意)を用いて授業の効果の検証を行った。効果検証用の質問紙も開発した。さらに、ビデオ録画と発話記録の作成を行い、授業自体の分析も行った。研究2で開発した指導案は、「配分的正義」に関するものであった。小学6年生を対象とした、継続的な授業(1クラスを固定し、9月、11月、2月の3回実施)を行い、継続的な取り組みによる子どもの変化を探った。どちらの指導案でも、児童に対する一定の効果が見られたが、特に研究1の「集団決定」の効果測定用の質問紙において、授業群の判断の理由づけの変化およびその維持が明確に見られた。
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