公募研究
マメ科植物のアメリカネムノキは、夜は葉を閉じ、朝になると葉を開く就眠運動を行うことにより、寒冷耐性と乾燥耐性を獲得してい る。これまでにジャスモン酸配糖体((-)-LCF)による就眠運動の誘導が報告されているが、就眠運動の分子機構の全容は未だ解明さ れていない。これまでに、((-)-LCF)が葉の付け根の葉枕に含まれる運動細胞の収縮を誘導することによって就眠運動が起きることを報告した(Plant Physiol 2011)。細胞収縮にはイオンチャネルの活性化による浸透圧の調節機構の関与が推察される。本研究では 、申請者らが独自に改良した高感度パッチクランプ装置を用いて天然物リガンドとその制御下にあるイオンチャネルの同定を行い、就眠運動の分子メカニズムの全容を解明することを目的としている。アメリカネムノキの葉枕の運動細胞のプロトプラストを作成してパッチクランプ実験を行ったところK+が細胞から流出する電流を検出した。本プロトプラストをLCFを用いて処理したところK+流出電流に変化は見られなかったため、LCFは直接K+チャネルを活性化するのではなく、細胞内からのK+チャネルの制御もしくは何らかの受容体を介してK+チャネルを制御していることが推察された。次に、細胞質内に該当するパッチクランプピペットにLCFを添加してK+電流 とCa2+電流を観察したところ、いずれの電流にも変化は見出されなかった。植物の代表的な運動細胞である気孔を形成する孔辺細胞では、細胞の収縮にはイオンチャネルのリン酸化が必要であることが近年明らかになっている。葉枕の運動細胞においても同様の制御機構が存在することが予想される。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件)
Nature Communications
巻: 6 ページ: 6095-6106
10.1038/ncomms7095
Current Opinion in Biotechnology
巻: 32 ページ: 113-120
10.1016/j.copbio.2014.11.025.