研究領域 | 量子サイバネティクス - 量子制御の融合的研究と量子計算への展開 |
研究課題/領域番号 |
24102707
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
中岡 俊裕 上智大学, 理工学部, 准教授 (20345143)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 量子ドット / 顕微発光分光 / ドライエッチング |
研究実績の概要 |
サイドゲート制御型量子ドット単一光子素子を発展させ、所望の特性を得るため、下記を実施した。 ① 半導体素子構造の最適化:基本となる半導体を、これまでの知見を踏まえ、以下、良好な単一量子ドット発光特性と良好なダイオード特性とを両立する構造へと最適化した。新たに構築した顕微発光測定系により、同構造中の単一量子ドットからの発光を測定し、どの成長条件が適しているか探索した。さらに、評価用ダイオード構造を用いたI-V測定と多数の量子ドットからの電流注入発光の効率を評価し、適切な構造を得た。特に量子ドット近傍のノンドープ層に一定以上の厚みが必要であることがわかった。 ② サイドゲート型素子用の高効率顕微測定法開発:本素子は金属電極に囲まれており、素子上部への光取り出し効率は低い。このため、顕微電流注入発光測定は素子下部(基板裏面)から行う。このため、素子をステージによりスキャン移動、レーザー反射光をモニターする。光学系を構築し、反射光による素子像を得た。現状1素子画像を得るのに多大な時間を要するため、測定手法の改善を進めている。 ③ サイドゲート型素子の設計・プロセス技術開拓 1,2の結果を踏まえ、高効率な光子発生が可能でかつゲート制御可能な構造を設計し、必要なプロセス技術を開拓した。プロセスは電子ビーム描画とフォトリソグラフィーを駆使した多数のプロセスからなる。特に、適切なサイドゲート構造のためには、素子形状を高精度な制御した特殊なドライエッチングが必要であり、その条件と、ドライエッチング後の薬品処理の条件を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の研究により複数のプロセス技術を開拓し、目的の素子構造を作成できた。しかしながら、実験を進める中で、リーク電流の低減を初めとするさらなるプロセス技術の開拓が必要であることがわかり、現在これを進めている。
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今後の研究の推進方策 |
さらなるプロセス技術の開拓を進める。具体的には、電流注入に用いているメサ部分の微細化とゲート電極への絶縁層導入を計画している。これらの改善を、I-V測定とゲート制御下における顕微発光分光により評価する。達成後、高効率な電流注入発光測定とサイドゲート制御の両立をすすめていく予定である。
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