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2012 年度 実績報告書

セグメント型望遠鏡のための共通光路シアリングナル干渉計の開発

公募研究

研究領域太陽系外惑星の新機軸:地球型惑星へ
研究課題/領域番号 24103501
研究機関北海道大学

研究代表者

村上 尚史  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80450188)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード光赤外線天文学 / 応用光学・量子光工学 / 惑星探査
研究実績の概要

本研究は、Thirty Meter Telescopeなど、次世代30m級望遠鏡の圧倒的な解像度と集光力による太陽系外惑星探査を目指す。そのための観測装置として、恒星光を強力に除去して暗い惑星光を検出する高コントラスト装置SPLINE (Savart-Plate Lateral-shearing Interferometric Nuller for Exoplanets)の開発を目的とする。既に開発中のSPLINEをさらに発展させ、より高いコントラスト(8桁レベル)が実現可能な観測システムの構築を目指している。
平成24年度は、SPLINE光学系アライメントの高精度・高安定化を行った。その結果、室内実証試験において、広い波長帯域をもつ白色光源で高いコントラスト(望遠鏡の解像度の2倍の離角において5桁以上)と、高い安定性(3時間にわたって安定に恒星モデル光を除去)を実証した。また、SPLINEの弱点として、偏光素子を利用しているために装置スループットが低いという問題があった。そこで、装置スループットを改善するため、偏光分離素子を導入した2チャンネル光学系を提案し、室内試験により原理実証を実施した。
これまでの実証試験では、SPLINEに使用する光学素子の面精度が悪いために光波面が乱されてしまい、恒星光を完全に除去することができなかった。申請当初は、この問題を解決するため、光ファイババンドルによる光波面のクリーン化を検討していた。しかしながら、光波面乱れの問題を解決するより効果的な手法として、連携研究者の松尾太郎氏を中心に、光波干渉技術による光波面測定法を提案した。平成24年度は、提案した光波面測定法の実証試験機を設計・構築を行い、実証試験に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに、SPLINE光学系の高精度・高安定化により、高いコントラストと波長非依存性、高い安定性の実証に成功している。また、SPLINEにおける光波面乱れの問題を解決するために新たに提案した光波面測定法により、可変形鏡などのハードウェアによる補正、ポストプロセスなどのソフトウェアによる補正の両面からコントラストの向上が期待される。平成24年度に、光波面測定のための光学系の設計と試験機の構築が完了しており、実証試験にも着手しつつある。以上のことから、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今後は、SPLINEの実証試験により、より高効率且つ高コントラストの達成を目指す。まず、2チャンネルSPLINE光学系では、より精度の高い方解石偏光分離素子を導入する。これにより、2チャンネル光学系がよりシンプルに構築でき、理論上より高いコントラストを実現可能である。また、提案した光波面測定法の実証試験を推進し、まずはポストプロセスによるコントラスト改善を目指す。さらに、可変形鏡や液晶光変調器などによる光波面制御により、乱れた光波面を補正するための技術も検討する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Can ground-based telescopes detect the Oxygen 1.27 micron absorption feature as a biomarker in exoplanets?2012

    • 著者名/発表者名
      H. Kawahara
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal

      巻: 758 ページ: 13

    • DOI

      10.1088/0004-637X/758/1/13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Second-Earth imager for TMT (SEIT)2012

    • 著者名/発表者名
      T. Matsuo
    • 雑誌名

      Proceedings of the SPIE

      巻: 8446 ページ: 84461K~84461K-8

    • DOI

      DOI: 10.1117/12.926039

  • [雑誌論文] Development of the Savart-plate lateral-shearing interferometric nuller for exoplanet (SPLINE)2012

    • 著者名/発表者名
      N. Murakami
    • 雑誌名

      Proceedings of SPIE

      巻: 8446 ページ: 84468H~84468H-8

    • DOI

      10.1117/12.925605

  • [学会発表] セグメント型望遠鏡のためのサバール板シヤリング・ナル干渉計の開発2012

    • 著者名/発表者名
      木田学武
    • 学会等名
      日本天文学会2012年秋季年会
    • 発表場所
      大分大学(大分県)
    • 年月日
      2012-09-19 – 2012-09-21
  • [学会発表] 高コントラスト観測のための3次元波面測定装置の提案2012

    • 著者名/発表者名
      松尾太郎
    • 学会等名
      日本天文学会2012年秋季年会
    • 発表場所
      大分大学(大分県)
    • 年月日
      2012-09-19 – 2012-09-21
  • [学会発表] Second-Earth imager for TMT (SEIT)2012

    • 著者名/発表者名
      T. Matsuo
    • 学会等名
      SPIE Conference: Astronomical Telescopes + Instrumentation
    • 発表場所
      Amsterdam RAI Convention Center (Netherland)
    • 年月日
      2012-07-01 – 2012-07-06
  • [学会発表] Development of the Savart-plate lateral-shearing interferometric nuller for exoplanet (SPLINE)2012

    • 著者名/発表者名
      N. Murakami
    • 学会等名
      SPIE Conference: Astronomical Telescopes + Instrumentation
    • 発表場所
      Amsterdam RAI Convention Center (Netherland)
    • 年月日
      2012-07-01 – 2012-07-06

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公開日: 2018-02-02  

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