研究領域 | 有機分子触媒による未来型分子変換 |
研究課題/領域番号 |
24105511
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
間瀬 暢之 静岡大学, 工学部, 准教授 (40313936)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 有機分子触媒 / 超臨界二酸化炭素 / ポリ乳酸 / 重合 / 粒子化 / 求核触媒 / 塩基触媒 / 脱有機溶媒化 |
研究実績の概要 |
生物由来の原料から作られるバイオベースポリマーはカーボンニュートラルな材料であり、近年の環境問題に対する意識の高まりにより、幅広い分野で注目されている。その代表的なポリマーであるポリ乳酸は、バイオマス資源を発酵させて得られる原料から製造され、実生活において利用されているが、その合成法は人体への安全性を考慮しなければならない触媒・溶媒などを使用している。「安全・安心・実用的なポリ乳酸合成」を達成するために、「有機分子触媒」と「超臨界二酸化炭素 (scCO2)」 の特長を活かした金属・有機溶媒フリー ポリ乳酸合成を検討する。特に、以下の2つの課題について研究対象を絞り、真に持続可能な「モノづくり」の科学の実用化を目指した。① scCO2中で有効に機能する有機分子触媒の開発 (有機分子触媒の機能化)② scCO2中での基質・有機分子触媒・生成物の挙動の解明 (ブラックボックスの可視化) この二つのポイントを確立し、さらにキログラムスケールでの合成を確立することにより実用化への道が開かれる。平成24年度では、以下の2項目に焦点を絞り研究した。(a) scCO2中で有効に機能する触媒の開発:求核的有機分子触媒、開始剤としてのエタノール存在下、ラクチドの開環重合をscCO2中で検討し、従来法より低温・短時間でポリ乳酸を得てきたが、研究室で開発された有機分子触媒的合成反応をシームレスに工業化へ移行するには、① 触媒量の低減 (1 mol%以下)、② 残存モノマーゼロ・定量的な重合 を解決しなければならない。現状のPPYなどの有機分子触媒のscCO2に対する溶解性が低いことから、解決の鍵は「如何にscCO2中で機能する有機分子触媒をデザイン・活用するか」である。そのため、触媒部位とscCO2用界面活性部位を同一分子内に有する新規有機分子触媒をデザイン・合成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(a) scCO2中で有効に機能する触媒の開発 (平成24年度 達成) (b) scCO2中有機分子触媒的ポリ乳酸合成 (平成24年度 達成) (c) scCO2中での基質・有機分子触媒・生成物の挙動の解明 (平成25年度計画を平成24年度から検討開始)
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今後の研究の推進方策 |
今後、以下の計画により、本研究課題を推進する。 (c) scCO2中での基質・有機分子触媒・生成物の挙動の解明 (平成25年度) (d) 実用化に向けた有機分子触媒の回収 (平成25年度)
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