研究領域 | 反応集積化の合成化学 革新的手法の開拓と有機物質創成への展開 |
研究課題/領域番号 |
24106711
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
跡部 真人 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (90291351)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | マイクロリアクター / 時間的・空間的制御 / 電解発生活性種 / カスケード反応 / 連続的レドックス反応 |
研究実績の概要 |
微小な流路内で化学反応を行うマイクロリアクターは、様々な分野で応用が期待されている反応デバイスであり、これを利用した研究は1990年代初頭から分析化学の分野で、また、最近は有機合成化学の分野でも大きな成果を挙げている。とくに大きな比界面積を有し迅速な溶液混合が可能といった特徴は、均一系反応よりもむしろ固-液不均一系界面での反応のほうが効率化できるなど利点が多く、典型的な固-液界面での反応である電気化学反応においても大変魅力的なものと言える。さらに電気化学測定・分析の領域のみならず、電解合成の分野においては、マイクロリアクターの利点はこれだけではない。電極間距離がマイクロオーダーであり、「電解液の流れがリアクター内で厳密に制御されている」といった特徴を最大限に活用すれば、従来のバッチ式反応容器(フラスコやビーカー)では決して実現できなかった全く新しい電解合成反応や電解合成システムが構築できることも予想される。このような着想に基づき、今年度はマイクロリアクターを利用した「電解反応をキーステップとするカスケード反応システムの開発」に着手し、着想原理の妥当性を十分に示すことが出来た。具体的にはカテコールの電解還元による不安定o-ベンゾキノンの生成と引き続く求核剤(ベンゼンチオール類)との反応による二段階カスケード反応を高効率に目的生成物に導くことに成功した(収率:88%)。さらにそれぞれの反応システムの汎用性やリミテーションについても検証し、電解合成プロセスにおけるマイクロリアクター利用技術の基盤的指針を獲得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
電解反応をキーステップとするカスケード反応システムの開発を予定通りに実施し、着想原理の妥当性を十分に示すことが出来た。さらにそれぞれの反応システムの汎用性やリミテーションについても検証し、電解合成プロセスにおけるマイクロリアクター利用技術の基盤的指針を獲得することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は電気化学マイクロリアクターの特徴を利用したカスケード反応システムを開発した。その中で合成ターゲットとなったキノン骨格から誘導される種々の化合物群は,合成化学的に重要なユニットであるので, 天然物合成化学者との共同研究の可能性を積極的に推進したい。マイクロフローリアクターは,集積化だけでなく反応の選択性を上げることも可能である。
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