今後の研究の推進方策 |
平成24年度に開発されたロジウム触媒による飽和ケトンの脱水素化を利用した、フロー型反応器によるケトンの脱水素化および求核剤の1,4-付加の空間的反応集積化の実現するために、さらなる反応条件の最適化を行うとともに、このロジウム触媒による脱水素化法の基質適用範囲の拡大を図る。さらに、基質となるケトン、アリル炭酸フェニル、ロジウム触媒の溶液をフロー型反応器に実際に通し、収率良くα,β-不飽和ケトンを与えるか確認する。 ケトンの脱水素化が高収率でおこるように反応器を最適化した後、α,β-不飽和ケトン生成後に求核剤となるアミン溶液が混合するように設計されたフロー型反応器を用い、目的とするβ-アミノケトンを収率良く与える反応条件を探索する。その後、基質適用範囲について検討する。以上により、ケトンの脱水素化、アミンの1,4-付加の空間的反応集積化による飽和ケトンのβ位アミノ化法を開発し、「反応器の使い分けによる生成物の作りわけ」を実現する。さらに、安定炭素アニオン、ス ルフィド、フェノキシドにようなアミン以外の求核剤を用いて反応を試み、アルキルケトンのβ位C-H結合をC-C, C-S, C-O結合に変換する新しい方法論を確立する。
|