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2013 年度 実績報告書

アルキンの集積型精密変換法の開発

公募研究

研究領域反応集積化の合成化学 革新的手法の開拓と有機物質創成への展開
研究課題/領域番号 24106734
研究機関九州大学

研究代表者

友岡 克彦  九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (70207629)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードアルキン / シクロフィン / シクロフェン / 面不斉
研究概要

アルキンの効率的変換法の開発とその応用研究の一環として,アルキンをヘテロ中員環骨格に組み込むことで,特異な反応性と立体化学挙動を付与することを検討した.具体的な研究対象分子として3-アザ-5-[7]オルトシクロフィンを設定した.その合成は,対応する鎖状前駆体を分子内光延反応によって環化させることで行った.
得られたアザ-オルトシクロフィンは結晶性であり,良好な単結晶を与えた.その単結晶X線構造解析によって結晶状態における分子構造を解析した結果, アルキン部位が直線構造から合計30°歪んでいることが明らかになった.また1H NMR分析の結果から,アザ-シクロフィンが室温下で動的な面性不斉を有していることが示された.
アザ-オルトシクロフィンのアルキン部位は多様な官能基に高選択的に変換することができる.例えば,ヨウ素塩素化やヨウ素プロトン化反応はいずれも高立体選択的かつ高位置選択的に進行し,それぞれ対応するアザ-オルトシクロフェンを高収率で与えた.これら変換反応の位置選択性発現理由を考察するために,DFT計算解析を行った結果,C5が-0.040,C6が+0.024の電荷を有していることが示された.本計算結果により,求電子種がC5位に,求核種がC6に付加するという実験結果が合理的に理解できる.
この様にして合成したヨウ素塩素置換アザ-オルトシクロフェンについてキラル固定相を用いたHPLC分析を行った結果,両者のエナンチオマーを分離することに成功した.また,その光学活性体を調製して,光学純度の経時変化を観測した結果,ヘキサン溶液中室温下2ヶ月放置しても光学純度は変化せず,このアザ-オルトシクロフェンが立体化学的に安定な面不斉分子であることが明らかになった.
以上,本研究ではアルキンをヘテロ中員環骨格に組み込むことで特異な反応性と立体化学挙動を付与することに成功するとともに,新規な面不斉アザ-オルトシクロフェンを創製した.

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Planar Chiral Dialkoxysilane: Introduction of Inherent Chirality and High Reactivity in Conventional Achiral Alkene2014

    • 著者名/発表者名
      Tomooka, K.; Miyasaka, S.; Motomura, S.; Igawa, K.
    • 雑誌名

      Chem. Eur. J.

      巻: 20 ページ: in press

    • DOI

      10.1002/chem.201402434

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis, Structural Analysis, and Reaction of 3-Aza-5-[7]orthocyclophyne2013

    • 著者名/発表者名
      Igawa, K.; Kawabata, T.; Ni, R.; Tomooka, K.
    • 雑誌名

      Chem. Lett.

      巻: 42 ページ: 1374-1376

    • DOI

      10.1246/cl.130735

    • 査読あり
  • [学会発表] 中員環アルキンの歪みと反応性に環内ヘテロ原子が及ぼす効果

    • 著者名/発表者名
      井川和宣,倪潤炎,光田直人,友岡克彦
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学
  • [学会発表] 1(6)位にヘテロ置換基を有する面不斉3-アザ[7]オルトシクロフェン類の合成とその立体化学

    • 著者名/発表者名
      畑山有介,井川和宣,友岡克彦
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学
  • [学会発表] 6位に置換基を有する3-アザ[7]オルトシクロフェンの立体化学挙動とその変換

    • 著者名/発表者名
      市川延雅,井川和宣,友岡克彦
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学
  • [学会発表] 不飽和結合を含む中員環分子の化学

    • 著者名/発表者名
      友岡克彦
    • 学会等名
      金沢大学 薬学シンポジウム2013 -新たな反応場の構築-
    • 発表場所
      金沢大学
    • 招待講演
  • [学会発表] Asymmetric Transannular Aza-[2,3]-Wittig Rearrangement of Planar Chiral Organonitrogen Cycles

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiko Tomooka, Masaki Suzuki, Kazuhiro Uehara, Maki Shimada, Toshiyuki Akiyama, Chisato Iso, Syun-ichi Yanagitsuru, Kazunobu Igawa
    • 学会等名
      10th International Symposium on Carbanion Chemistry
    • 発表場所
      同志社大学
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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