研究領域 | ナノメディシン分子科学 |
研究課題/領域番号 |
24107509
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
小西 慶幸 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00382838)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 軸索 / 微小管 / キネシン |
研究実績の概要 |
細胞内では、分子は均一なネットワークを形成しているのではなく、微細な区画に依存して局所的に分子間相互作用が制御されると考えられる。特定の細胞内領域で生じた分子反応が細胞内に伝播し、細胞機能を制御するまでの過程を解明することは、細胞内の複雑な分子システムの理解に貢献すると期待される。本研究では神経細胞の軸索形態制御に着目し、局所的な分子の活性の変化が細胞内輸送、構造の安定性を制御する過程をモデル化する。 局所的な神経突起形態を制御する重要な要因の一つとして、微小管を介した物質輸送システムがあげられる。キネシンは軸索輸送、軸索の伸長に重要な役割を担っていること、またキネシンのモーター領域を神経細胞内に発現させると、軸索を特異的に認識することが知られている。本年度は軸索の分岐パターンの制御にキネシンを介した物質輸送機構が関与する可能性について解析を行いった。主に神経軸索内の輸送分子の分布と軸索形態パターンを解析することで、両者に関連があることを示した。また、これらの動態を解析するためのタイムラプスイメージングの系を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的として下記の点を達成できたため。 小脳顆粒細胞におけるキネシンモーター領域の局在を解析し、軸索内輸送制御における新たな制御を見いだすことが出来た。 軸索輸送と軸索分岐パターンの関連性を見いだした。 神経軸索解析のためのタイムラプスイメージングの実験をセットアップを完了した。
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今後の研究の推進方策 |
タイムラプス実験による軸索内輸送と軸索分岐の関連を詳細に解析する。 軸索内の輸送を制御する新しい機構を明らかにする。その1つとして微小管を構成するチュブリンの翻訳後修飾が関わりこれをキネシンが認識する機構が考えられる。今後はこの課題について中心的に取り組む。
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