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2013 年度 実績報告書

細胞の微弱電流環境下における物質取り込み変化の機構解明と革新的薬物送達への展開

公募研究

研究領域ナノメディシン分子科学
研究課題/領域番号 24107523
研究機関京都薬科大学

研究代表者

小暮 健太朗  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70262540)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード微弱電流環境 / 細胞内取込み / 細胞内輸送
研究概要

平成24年度に得た、微弱電流がエンドサイトーシスを誘起し細胞外から核酸の取り込みを促進するという知見に基づき、共同研究者が開発したナノ組織体の細胞取り込みに対する微弱電流処理の影響を検討したところ、細胞内取り込みの低い粒子が微弱電流処理によって著しく細胞内に取り込まれることを見出した。このことから、微弱電流刺激は、核酸に限らず多様な外来物質の細胞内取り込みを促進することが確認された。一方、微弱電流処理した細胞において、種々のシグナル伝達系が活性化されていたことから、何らかのメディエーターが介在していると予測し、タンパク質リン酸化への関与が予想される細胞内Ca2+の変化について検討を行ったところ、微弱電流処理+カチオン性リポソーム存在下において細胞内Ca2+量の上昇が認められた。このことから、微弱電流処理によって細胞外からCa2+が流入し、細胞内リン酸化酵素の活性化を経て種々のタンパク質がリン酸化され、エンドサイトーシスが誘起されることが推察された。細胞をナノキャリアー共存下で微弱電流処理した時における線維化アクチンの脱重合を検討したところ、細胞内線維化アクチンが減少することを見出した。線維化アクチンの重合・脱重合は、エンドサイトーシス誘起に関与することから、微弱電流刺激が細胞骨格を変化させることでエンドサイトーシスを誘起することが示唆された。さらに微弱電流処理下での蛍光ラベル化したナノ粒子(カチオン性リポソーム)の短時間における細胞取り込みを評価した結果、微弱電流処理によって、より多くのリポソームが取り込まれることが確認された。微弱電流処理下では、取り込まれたリポソームの多くが短時間に細胞内の核周辺にまで到達することが明らかになった。このことから、微弱電流処理により、エンドサイトーシスが誘起され外来物質が取り込まれるとともに、細胞内輸送が著しく亢進することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Electric stimulus opens intercellular spaces in skin2014

    • 著者名/発表者名
      Hama S
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 289 ページ: 2450-2456

    • DOI

      10.1074/jbc.M113.514414

    • 査読あり
  • [学会発表] Noninvasive and effective transdermal delivery of functional macromolecules by iontophoresis2013

    • 著者名/発表者名
      Kogure K
    • 学会等名
      Asian Federation for Pharmaceutical Sciences Conference (AFPS) 2013
    • 発表場所
      韓国済州島
    • 年月日
      20131121-20131123
    • 招待講演
  • [学会発表] Enhanced Cellular Delivery of Nucleic Acids by Electric Stimulus2013

    • 著者名/発表者名
      Kogure K
    • 学会等名
      2nd Inter-national Symposium on Nanomedicine Molecular Science NMMS 2013
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      20131008-20131009
  • [学会発表] 微弱電流による皮膚生理変化を利用した表皮貯留型がんワクチンデリバリーシステム2013

    • 著者名/発表者名
      小暮健太朗
    • 学会等名
      第29回日本DDS学会学術集会
    • 発表場所
      京都府京都市
    • 年月日
      20130704-20130705
  • [学会発表] イオントフォレシスによる高分子物質の経皮送達メカニズム

    • 著者名/発表者名
      小暮健太朗
    • 学会等名
      第5回経皮投与製剤FGシンポジウム
    • 発表場所
      東京都
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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