公募研究
近年、ナノテクノロジー・材料分野は、最重要な研究推進分野と位置づけられている。特異な機能を発現する原子・分子操作および構造の階層化は、ナノテクノロジーにおけるボトムアップアプローチとして多くの研究がなされている。本提案では、①集合状態で導電性を有する分子群を螺旋状の形態に自己組織化させ、②電子と磁気との相関を明らかにすることで新規ナノデバイスの構築を目指した。申請者がこれまでに研究してきた高導電性分子の設計および基板界面制御法を発展させ、幅1分子、長さ50 マイクロメートル、コイルピッチ10 nm程度の「導電性ナノコイルの創成」に挑戦した。①有機導電性分子からなる分子性ナノ螺旋構造の構築分子性導体に「かさ高いキラル分子」と「水素結合部位」を導入することで、非対称な側鎖を付与した分子を合成した。更に、アクセプターと組み合わせることまた、コイルの外側に、フェロセン分子を結合させることで、直線構造からコイル構造へと変化する「形状記憶コイル」を作成した。このような現象を利用することで、分子1個が変化し、コイル全体が伸縮するため、アクチュエーターとしても応用できると考えた。②分子性電磁気ナノコイルの電気-磁気物性評価導電性AFMを用いた電気物性評価は、カーボンナノチューブやDNA など比較的硬い材料については報告され始めているが、分子集合体ナノワイヤのような柔らかい材料の報告例は皆無であった。本研究ではこの測定法を用いてナノワイヤ1本の電気物性を評価した。具体的なナノシステムの作製を視野に入れた時、ナノワイヤ1本の電気物性やコイル構造の電気・磁気物性を明らかにする必要がある。作製した分子性コイルについて、螺旋回転数やピッチを変え、それに伴う機能性の変化を確認した。ピッチの幅を制御することで「形状記憶コイル」を、回転数を制御することで磁場強度が変化する「電磁気コイル」を作成した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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