配位プログラミングによるメタル化ペプチド超構造体の創製と超分子触媒への展開

2013 年度 実績報告書

• 研究領域: 配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製
• 研究課題/領域番号: 24108719
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 高谷 光 京都大学, 化学研究所, 准教授 (50304035)
• 研究期間 (年度): 2012-06-28 – 2014-03-31
• キーワード: アミノ酸 / ペプチド / 超分子 / メタル化アミノ酸 / メタル化ペプチド / β－シート / 超分子触媒 / ナノチューブ

研究概要

申請課題では機能性金属錯体が側鎖に結合したペプチドの両末端に，配位子を導入した配位性メタル化ペプチドを開発し，これらの金属への配位とペプチド間水素結合のプログラムに基づく三次元階層的なペプチド集積制御の基礎的方法論の確立、および本法を用いた膜タンパク質類似のβ-バレル型ペプチド超構造体を創製を目的とした主たる研究を行った．さらに、超構造体のナノ空間内において結合金属の触媒機能を協奏的に発現しうる超分子触媒システムに関する詳しい研究を行った。
本研究において、申請者らはPdおよびPt錯体結合型ペプチドの効率的な合成方法の開発に成功し、欧文国際誌４報の論文として成果発表を行った。また本成果に基づき、合成したCN両末端に配位部位を有するPtペプチドが遷移金属および芳香族アルデヒドの存在下に自己組織化して環状ペプチドを与えること、これらが高濃度下で自己組織化してβシートリッチな与えることを見出した。FT-MSやNMR, SEM観察の結果からメタル化ペプチドナノチューブが生成していると考えている。さらに、申請者らは上記のPdアミノ酸およびペプチドの自己組織化によって触媒金属が稠密かつ規則的に集積された超分子集合体が得られることに着目し、これらの触媒機能について詳しい検討を行った。その結果、これらの超分子集合体が水中で不均一系触媒として作用し、アルキン酸類の環化反応や鈴木－宮浦型の1,4-付加反応などの良好な触媒となることを見いだし、メタル化ペプチド超分子触媒システム構築のための基礎的な知見を得ることに成功した。

現在までの達成度 (区分)

理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Synthesis and Self-Assembling Properties of Pt-Complex-Bound Oligoglutamic Acids (2014)
  • 著者名/発表者名: Takaya, H.; Isozaki, K.; Haga, Y.; Ogata, K.; Naota, T.
  • 雑誌名: Chem. Lett. 巻: 43 ページ: 402-404
  • DOI: doi:10.1246/cl.131025
  • 査読あり
• [雑誌論文] アミノ酸およびペプチドで操る金属集積 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光，磯崎勝弘，中村正治
  • 雑誌名: 高分子 巻: 63 ページ: 231-232
  • 査読あり
• [雑誌論文] Palladium NCN-Pincer Complex-Bound Norvalines: Synthesis, Self-Assembly Properties, and Catalysis (2013)
  • 著者名/発表者名: K, Ogata, D. Sasano, T. Yokoi, K. Isozaki, R. Yoshida, T. Takenaka, H. Seike, T. Ogawa, H. Kurata, N. Yasuda, H. Takaya,* and M. Nakamura*
  • 雑誌名: Chem. Eur. J. 巻: 19 ページ: 12356-12375
  • DOI: 10.1002/chem.201301513
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis, Structure, and Function of PCP Pincer Transition-Metal-Complex- Bound Norvaline Derivatives (2013)
  • 著者名/発表者名: Takaya, H.; Iwaya, T.; Ogata, K.; Isozaki, K.; Yokoi, T.; Yoshida, R.; Yasuda, N.; Seike, H.; Takenaka, T.; Nakamura, M.
  • 雑誌名: Synlett 巻: 24 ページ: 1910-1914
  • DOI: DOI: 10.1055/s-0033-1339473
  • 査読あり
• [雑誌論文] Metal array fabrication based on ultrasound-induced self-assembly of metalated dipeptides (2013)
  • 著者名/発表者名: Isozaki, K.; Haga, Y.; Ogata, K.; Naota, T.; Takaya, H.
  • 雑誌名: Dalton Trans。 巻: 42 ページ: 15953-15966
  • DOI: 10.1039/C3DT51696B
  • 査読あり
• [雑誌論文] Metal Array Fabrication based on Self-Assembly of Metalated Amino Acids and Peptides (2013)
  • 著者名/発表者名: Takaya, H.
  • 雑誌名: Briefs in Molecular Science Series Vol. 26, Metal-Molecular Assembly for Functional Materials, 巻: 26 ページ: 49-60
  • DOI: 10.1007/978-4-431-54370-1_6
  • 査読あり
• [雑誌論文] Homogeneous Solution Phase Structure of Organoiron Catalysts Illuminated by Synchrotron X-ray Absorption Spectroscopy (2013)
  • 著者名/発表者名: H. Takaya, S. Nakajima, N. J. Gower, R. Imayoshi, Y. Tamenori, N. Nakgawa, K. Isozaki, L. Adak. T. Hashimoto, T. Hatakeyama, T. Honma, M. Takagaki, Y. Sunada, H. Nagashima, and M. Nakamura,
  • 雑誌名: Proceedinng for 60th Symposium on Organometallic Chemistry, Japan 巻: 60 ページ: O1-03
  • 査読あり
• [雑誌論文] メタル化アミノ酸／ペプチドを用いる金属集積制御と機能開拓～自己組織化による人工酵素合成を目指して～ (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光，磯崎勝弘，中村正治
  • 雑誌名: 生命化学研究レター 巻: 42 ページ: 10-18
• [学会発表] ルテニウム錯体結合型ノルバリン触媒を用いる電子豊富な芳香族化合物の酸化反応 (2014)
  • 著者名/発表者名: 吉田 亮太・磯崎 勝弘・横井 友哉・竹中 健朗・高谷 光・中村 正治
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名大（愛知）
  • 年月日: 20140327-20140330
• [学会発表] 自己組織化単分子膜を利用した金ナノ粒子の触媒反応加速効果 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石橋 幸典・磯崎 勝弘・田口 知弥・高谷 光・中村 正治・三木 一司
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名大（愛知）
  • 年月日: 20140327-20140330
• [学会発表] Aryl C-Glycoside Synthesis Based on Iron-Catalyzed Cross Coupling Reaction of Arylzinc Reagents (2014)
  • 著者名/発表者名: Laksmikanta Adak, Shintaro Kawamura, Gabriel Toma, Li Ho Chuen, Toshio Takenaka, Katsuhiro Isozaki, Hikaru Takaya, Tony K. M. Shing, Masaharu Nakamura
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名大（愛知）
  • 年月日: 20140327-20140330
• [学会発表] 鉄触媒クロスカップリング反応におけるアリール鉄中間体の構造と反応性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 仲嶋 翔・橋本 徹・中川 尚久・今吉 隆治・GOWER N. J.・ADAK L.・本間 徹生・砂田 祐輔・永島 英夫・磯崎 勝弘・畠山 琢次・高谷 光・中村 正治
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名大（愛知）
  • 年月日: 20140327-20140330
• [学会発表] アミノ酸・ペプチドで操る金属集積 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光
  • 学会等名: 新学術領域「動的秩序と機能」機能超分子化学ミニシンポジウム
  • 発表場所: 東大（東京）
  • 年月日: 20140311-20140311
  • 招待講演
• [学会発表] メタル化アミノ酸・ペプチドの超分子構造解析～SPring-8での成果を中心に～ (2014)
  • 著者名/発表者名: 高谷光、磯崎勝弘，竹中健朗，横井友哉，吉田亮太，安田伸広，中村正治
  • 学会等名: 第一回SPring-8ワークショップ
  • 発表場所: 高輝度光科学研究センター（兵庫）
  • 年月日: 20140201-20140202
  • 招待講演
• [学会発表] メタル化アミノ酸・ペプチドを用いる金属集積と機能開拓 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光
  • 学会等名: 北海道大学フロンティア化学教育研究センター、第三回「次世代の物質科学・ナノサイエンスを探る」シンポジウム
  • 発表場所: 北大（北海道）
  • 年月日: 20140110-20140110
  • 招待講演
• [学会発表] Supramolecular Smart Materials based on Taransition-Metal-Bound Amino Acids and Peptides (2013)
  • 著者名/発表者名: Takaya, H.
  • 学会等名: The NZ-Japan Joint Symposium on Supramolecular Materials
  • 発表場所: Qweenstown, NZ
  • 年月日: 20131214-20131216
  • 招待講演
• [学会発表] ルテニウム錯体結合型ノルバリン触媒を用いる電子豊富な芳香族化合物の過酸化水素酸化反応 (2013)
  • 著者名/発表者名: 吉田 亮太・磯崎 勝弘・横井 友哉・竹中 健朗・高谷 光・中村 正治
  • 学会等名: 第9回有機元素化学セミナー
  • 発表場所: 京大（京都）
  • 年月日: 20131129-20131129
• [学会発表] ピンサールテニウム錯体結合型ノルバリンペプチドの合成と機能開拓 (2013)
  • 著者名/発表者名: 竹中 健朗・横井 友哉・吉田 亮太・磯崎 勝弘・高谷 光・中村 正治
  • 学会等名: 第4回統合物質シンポジウム
  • 発表場所: 名大（愛知）
  • 年月日: 20131111-20131111
• [学会発表] ルテニウム錯体結合型ノルバリン触媒を用いる電子豊富な芳香族化合物の過酸化水素酸化反応 (2013)
  • 著者名/発表者名: 吉田 亮太・磯崎 勝弘・横井 友哉・竹中 健朗・高谷 光・中村 正治
  • 学会等名: 第4回統合物質シンポジウム
  • 発表場所: 名大（愛知）
  • 年月日: 20131111-20131111
• [学会発表] 鉄を用いる環境調和型クロスカップリングの開発：Ｘ線吸収分光による反応溶液中鉄活性種の構造解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光、仲嶋翔，Nicholas J. Gower，今吉隆治，為則雄祐，中川尚久，磯崎勝弘，Laksmikanta Adak，橋本徹，畠山琢次，本間徹夫，高垣昌史，砂田裕輔，永島英夫，中村正治
  • 学会等名: 広島大学サステイナブル科学シンポジウム
  • 発表場所: 広島大学（広島）
  • 年月日: 20131108-20131108
  • 招待講演
• [学会発表] Ru結合型アミノ酸／ペプチドの合成と触媒作用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷光、磯崎勝弘，竹中健朗，横井友哉，吉田亮太，西郡達志，石橋幸典，安田伸広，吉岡康一，渡辺隆司，中村正治
  • 学会等名: 錯体化学会第63回討論会
  • 発表場所: 琉球大（沖縄）
  • 年月日: 20131101-20131103
• [学会発表] 鉄触媒クロスカップリング反応におけるアリール鉄中間体の構造および反応性 (2013)
  • 著者名/発表者名: 仲嶋翔、橋本徹，中川尚久，今吉隆治，Gower N. J.，本間徹夫，砂田裕輔，永島英夫，磯崎勝弘，畠山琢次，高谷光，中村正治
  • 学会等名: 錯体化学会第63回討論会
  • 発表場所: 琉球大（沖縄）
  • 年月日: 20131101-20131103
• [学会発表] 放射光X線吸収分光による有機鉄活性種の溶液構造研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷光, 仲嶋翔，Nicholas J. Gower，今吉隆治，為則雄祐，中川尚久，磯崎勝弘，Laksmikanta Adak，橋本徹，畠山琢次，本間徹夫，高垣昌史，砂田裕輔，永島英夫，中村正治
  • 学会等名: 第60回有機金属化学討論会
  • 発表場所: 学習院大（東京）
  • 年月日: 20130912-20130914
• [学会発表] 一（いち）合成化学者ユーザーの立場から実感した超分子化学構造解析におけるSPring-8の威力 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光
  • 学会等名: ソフト界面科学研究会
  • 発表場所: 京大（京都）
  • 年月日: 20130908-20130908
  • 招待講演
• [学会発表] ユーザーの立場から見たSPring-8における微小結晶構造解析～京大化研有機合成系研究室の最近の利用状況と成果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光
  • 学会等名: 結晶化学研究会シンポ
  • 発表場所: 京大（京都）
  • 年月日: 20130907-20130907
  • 招待講演
• [学会発表] レアメタルをもちいない次世代クロスカップリング反応の開発：鉄ホスフィン錯体触媒における触媒活性種の溶液XAFS解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光、仲嶋翔，Nicholas J. Gower，今吉隆治，為則雄祐，中川尚久，磯崎勝弘，Laksmikanta Adak，橋本徹，畠山琢次，本間徹夫，高垣昌史，砂田裕輔，永島英夫，中村正治
  • 学会等名: 第１０回SPring-8産業利用報告会
  • 発表場所: 兵庫県民会館（兵庫）
  • 年月日: 20130905-20130906
  • 招待講演
• [学会発表] Homogeneous Solution-Phase Structure of Organoiron Catalysts Illuminated by Synchrotron X-ray Absorption Spectroscopy (2013)
  • 著者名/発表者名: Takaya, H.; Isozaki, K.; Nakajima, S.; Gower, N. J.; Nakagawa, N.; Imayoshi, R.; Tamenori, Y.; Laksmikanta, A.; Kawabata, T.; Mochizuki, A.; Aoki, Y.; Hatakeyama, T.; Nakamura, M.
  • 学会等名: 17th IUPAC International Symposium on Organometallic Chemistry Directed Towards Organic Synthesis
  • 発表場所: Ft Collins, Collorado, USA
  • 年月日: 20130727-20130730
• [学会発表] Supramolecular Catalyst based on Taransition-Metal-Bound Amino Acids/Peptides (2013)
  • 著者名/発表者名: Takaya, H.
  • 学会等名: The 2nd China-Japan Joint Inorganic Chemistry Symposium for Young Scientists: Supramolecular Science and Nanomaterials
  • 発表場所: 分子研（愛知）
  • 年月日: 20130614-20130615
  • 招待講演
• [学会発表] メタル化アミノ酸／ペプチドを基盤とする金属集積制御と機能開拓 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光
  • 学会等名: ナノ学会 金属と分子集合シンポジウム
  • 発表場所: 東工大（東京）
  • 年月日: 20130605-20130606
  • 招待講演
• [学会発表] メタル化アミノ酸／ペプチドを基盤とするメゾスコピック金属集積制御と機能開 (2013)
  • 著者名/発表者名: 高谷 光
  • 学会等名: 新学術領域研究会
  • 発表場所: 東大（東京）
  • 年月日: 20130501-20130501
  • 招待講演
• [図書] Briefs in Molecular Science Series Vol. 26, Metal-Molecular Assembly for Functional Materials, (2013)
  • 著者名/発表者名: Takaya, H.
  • 総ページ数: 90
  • 出版者: Springer VCH
• [備考] 京都大学化学研究所中村研究室
  • URL: http://es.kuicr.kyoto-u.ac.jp/publication.html