研究領域 | 配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製 |
研究課題/領域番号 |
24108726
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小野田 晃 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60366424)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | バイオデバイス / ヘムタンパク質 / タンパク質階層プログラミング / 超分子構造 / 光電変換 |
研究概要 |
本研究は、電子移動・触媒・センサー機能を有するヘムタンパク質におけるヘム-ヘムポケットの相互作用を活用して、異種タンパク質の階層構造を電極基板上へプログラム構築するとともにバイオデバイスへの展開を目的として実施した。タンパク質の複雑な人工集合体やナノ構造体を精密構築しデバイス化するという観点から独創的な試みである。ヘムのプロピオン酸側鎖にマレイミドを導入し、シトクロムb562 (cyt b562) 表面に導入した一つのシステインとカップリングし、ヘムタンパク質自己集合体のモノマーユニットを調製した。同様にプロトポルフィリンIX の中心金属を Zn に置換したユニットも調製した。金電極表面に自己組織化膜を形成後、ヘムあるいはZnプロトポルフィリンIX を縮合により表面修飾を行い、モノマーユニットを添加することにより、ヘムタンパク質集合体が階層的に集積化したバイオデバイスを作製した。タンパク質積層界面は、交流インピーダンス測定、水晶発振子マイクロバランス、原子間力顕微鏡により同定を行った。作製した一連の異種タンパク質階層化電極について、サイクリックボルタンメトリー及び微分パルスボルテンメトリーにより電気化学特性を明らかにした。犠牲試薬存在下でのキセノンランプ照射時の電流応答を評価し、Zn 置換のシトクロムを配向階層化した金電極は、カソード電流が検出されること、積層構造によって電流量が増大する現象を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した、タンパク質階層化媒デバイス界面の作製と機能解析を達成しており、順調に進展していると確信している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果によりヘムタンパク質を集積化したバイオデバイス界面の作製と機能化を達成した。今後は、この成果を踏まえて、タンパク質の固定化の配向を制御したバイオデバイス界面の作製と機能評価を推進する。
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