公募研究
本研究課題において、本年度では以下の成果を挙げることができた。1.神経系ガングリオシドプローブの合成:本研究課題では、中枢神経系に高発現するb系列ガングリオシド、GD3、GD2、GD1b、GT1b、GQ1bの合成を目的とした。前年度では、末端にガラクトースまたはシアル酸一残基を有するGD1b、GT1bの蛍光プローブの合成に成功した。本年度では、GD3,GQ1bに共通するシアル酸二量体部分の末端シアル酸に蛍光を導入する手法を確立し、GD3の蛍光プローブの合成を完了した。この手法を応用することにより、GD2,GQ1bの合成も可能であると考えられる。また、b系列以外のガングリオシドとして、GM2のプローブの合成も完了した。2.生細胞膜中でのガングリオシド挙動解析:本研究課題で合成したプローブを用いて、1分子イメージングによるガングリオシドの挙動解析を連携研究者の鈴木博士(京都大)の協力の下行った。元来、脂質ラフトに存在すると考えられているGPI型蛋白質(CD59)と非ラフト分子であると考えられているEGFRとの相互作用をモデルとして、蛋白質-ガングリオシドの相互作用を解析したところ、ガングリオシドは、CD59クロスリンクドメインに高い親和性を示し、ドメイン内での長期の停留を示すことが明らかとなった。また、EGFRの場合、ガングリオシドはEGFRのモノマーに対して高い親和性を有することが明らかとなった。これらは、蛋白質受容体のラフト親和性を決定する重要な相互作用である可能性を示唆するものである。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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