公募研究
昨年度までの研究により、AGO61がα-dystroglycan(αDG)上のラミニン結合性を示す糖鎖の形成に関与し、脳の層形成において重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。本年度は、αDG上の特定の位置に結合したマンノース残基へのN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)修飾をAGO61が担っていることを見出した。興味深いことに、そのGlcNAc修飾箇所は、これまでラミニン結合性糖鎖が発現していると報告されているスレオニン残基と一致していた。つまり、AGO61はαDG上のラミニン結合性を示す糖鎖が形成されるスタートとなる糖鎖構造を作る重要な酵素であることが明らかとなった。更には、質量分析により、ラミニン結合性糖鎖が結合し得るスレオニン残基上に、本糖鎖の還元末端構造であるリン酸化3糖構造(Man-(phospate)-GlcNAc-GalNAc)を見出すことができた。本研究を通じて、AGO61の欠損に伴いαDG上のラミニン結合性糖鎖の形成不全が起こり、筋ジストロフィーが発症することを明らかにすることができた。以上の成果は、学術雑誌[Sci. Rep. 3, Article number:3288 (2013)]に掲載された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Sci. Rep.
巻: 3 ページ: 3288
doi:10.1038/srep03288
実験医学
巻: 31 ページ: 1602-1606
生化学
巻: 85 ページ: 1012-1016
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20131122085117547
http://www.phar.nagoya-cu.ac.jp/hp/sbk/Aw/Award_jp_24.pdf