公募研究
小脳は姿勢制御・運動学習等の中枢であるが、小脳皮質において唯一の出力神経細胞であるプルキンエ細胞(PC)の発火活動は、PCとアストロサイトの一種であるバーグマングリア(BG)とのグリア―神経連関により修飾され、その異常によって脊髄小脳失調症(SCA7)等の疾患が引き起こされる。近年シナプス近傍の環境に重大な影響を与えるアストロサイト微小突起が海馬等でシナプス活動に伴って短時間のうちにダイナミックに伸縮することが分かってきた。本研究では、小脳でもBGの微小突起が伸縮するのか、またその伸縮が突起内Ca2+濃度、シナプス活動、およびシナプス近傍の神経外環境の変化とどのように関係するのかを明らかにし、シナプスの機能維持・障害のメカニズムを解明することを目的としている。我々はこれまでに神経細胞における単一発火活動、発火閾値下のシナプス入力活動やアストロサイトにおける突起内 Ca2+活動を可視化できる高感度・高性能な緑色と赤色の蛍光Ca2+プローブを開発した。そして三者間シナプスを構築する軸索終末、樹状突起スパイン、アストロサイト微小突起の形態とCa2+活動を可視化できる蛍光プローブを作製した。最終年度は作製したプローブを発現させた神経細胞とアストロサイトの共培養系を用いて、グリア―神経連関を修飾することが知られている各種伝達物質やその阻害薬の投与、あるいは光感受性非選択性カチオンチャネルであるchannelrhodopsin-2を用いて細胞種特異的な光刺激等を行い、三者間シナプスの局所形態とCa2+活動への影響について可視化解析を進めた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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