公募研究
申請者らはアルツハイマー病(AD)の病態として、グリア細胞を含めた脳内環境の重要性に着目し、アストロサイト内におけるカルシウム調節の破綻がアミロイド病理と神経変性、シナプス脱落の間を仲介する変化であると考えた。これまでの研究で、アミロイド処置によるアストロサイト内のカルシニューリンーNFATシグナルの活性化を検出し、アミロイドによる細胞内カルシウムレベルの上昇が証明した。引き続き、アストロサイトからの種々の炎症性サイトカイン放出の亢進を認めた。さらに、申請者らは特に顕著な変化として炎症性サイトカインIGF-BP、及びWisp1のアストロサイトからの放出を見出し、現在解析中である。非常に興味深いことに、IGF-BPは対照脳と比較して顕著にアルツハイマー病の脳で蛋白レベルおよびmRNAレベルで発現が亢進しており、アミロイド負荷によるアストロサイトを介した炎症性メディエーターの放出が示唆された。また、IGF-BPが放出されることにより、神経細胞内のタウのリン酸化が惹起された、これがどの程度、神経原線維変化の生成や神経細胞死に関与しているのかを検証中である。将来的にはアストロサイトから放出される炎症性サイトカインを制御することが創薬のターゲットとも成りうると期待される。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plos One
巻: 8 ページ: e72796
10.1371/journal.pone.0072796
Neuroscience Letters
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