公募研究
Planckの観測発表を受け、密度揺らぎの非ガウス性に対する制限は非常に厳しいものとなった。そこで、カーバトンなどのspectator field模型が満たすべき条件を観測結果発表直後に調べあげ論文として発表した。更に、QCDアクシオンがつくる等曲率ゆらぎとその非ガウス性を解析的及び数値的に求め、この厳しい制限を用いてアクシオンとインフレーションスケールに制限を導くことができた。また等曲率揺らぎの制限を避けるために、QCDアクシオンがインフレーション中に非常に重くなる理論的可能性を追求した。一方、Planck衛星の観測結果を受け、Polynomical chaotic inflationを4次元超重力理論の枠組みで構築した。更に、ごく最近発表のあったBICEP2の結果を説明するHiggs chaotic inflationおよびmulti-natural inflation模型を提唱した。特に、後者においては、通常作るのが非常に困難である大きなrunning spectral indexが生成可能であることを具体的に示し、Planckとのtensionを解く可能性を論じた。このように、現在の宇宙の揺らぎの起源を探ることを第一の目的として研究を進めてきた結果、新しい観測結果と合わせ、その起源の可能性をかなり絞り込むことができた。更に、暗黒物質の有力な候補であるQCDアクシオンに対する制限が非常に厳しいということも、BICEP2の発表後、世界に先駆けて発表することができた。従って、この研究において、学術的な成果を確実にあげ、かつ熾烈な研究競争に勝ったといえる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)
Physics Letters B
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