研究領域 | 背景放射で拓く宇宙創成の物理―インフレーションからダークエイジまで― |
研究課題/領域番号 |
24111710
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 慶太郎 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (80547547)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 宇宙ひも / 宇宙背景放射 / 重力波 / 重力レンズ |
研究実績の概要 |
宇宙ひもが宇宙の様々な現象に与える影響を考察し、宇宙ひもの存在を実証、もしくはその量に対して制限を与える研究を行った。 宇宙ひもが存在するとその重力レンズ効果によって宇宙背景放射のゆらぎが影響を受ける。特にもともと存在するEモード偏光がBモード偏光に変換されるため、宇宙ひも特有のシグナルとなる。そこで宇宙ひもによる重力レンズによって生じる温度ゆらぎや偏光ゆらぎを解析的に評価する枠組みを構築し、将来の観測によって宇宙ひもの線密度と組み換え確率にどのような制限が与えられるかを予測した。 また宇宙ひもの運動は重力波も生成する。もし十分な量の宇宙ひもが存在すれば、現存あるいは将来の重力波望遠鏡によって宇宙ひもからの重力波を検出できる可能性がある。そこでさまざまな重力波望遠鏡の組み合わせによって宇宙ひもの線密度と組み換え確率にどのような制限を与えることができるかを予測した。 最後に、非常に小さな線密度を持つ宇宙ひもはフェムトレンジングという微小な重力レンズ効果によって高エネルギー天体からのエックス線スペクトルを振動させる可能性があることを発見した。この効果を定量的に評価してガンマ線バーストの観測から小さな線密度を持つ宇宙ひもの存在を探る方法を提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
宇宙背景放射と重力波の研究は計画通りに進行した。それに加えて宇宙ひもによるフェムトレンジング効果の発見という予想外の成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
プランク衛星による宇宙背景放射の観測データを用いて宇宙ひものパラメータに対する制限を得る。またこれまで用いてきた宇宙ひものネットワークを記述する解析的モデルをさらに改良するため、宇宙ひもを構成するスカラー場やベクトル場の大規模な数値シミュレーションを行う。
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