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2012 年度 実績報告書

細胞膜脂質が上皮管腔構造形成において果たす役割の解明

公募研究

研究領域上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立
研究課題/領域番号 24112511
研究機関京都大学

研究代表者

池ノ内 順一  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10500051)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード細胞極性 / 細胞膜脂質 / 上皮細胞 / 管腔形成
研究実績の概要

上皮細胞は、恒常的に細胞極性を有し、細胞外基質の中に包埋すると内腔を持つシストを形成する。このような細胞極性にはこれまで様々な細胞極性に関連する重要なタンパク質が同定されてきたが、一方で上皮細胞の極性形成における細胞膜脂質の関与については殆ど明らかになっていない。そこで、本研究提案において、私は極性を持つ上皮細胞と極性を持たない間葉細胞の間で、どれくらい細胞膜を構成する脂質に違いが存在するか、質量分析を用いて解析を行った。具体的には、先行研究(Ikenouchi et al. JCS 2003)に於いて確立した転写因子Snailを用いて培養上皮細胞を間葉細胞に転換する系を用いて、上皮細胞と、Snailを強制発現することにより間葉細胞に転換した細胞を用いて、それらの細胞膜脂質組成を比較した(細胞膜の脂質組成の解析はIkenouchi et al. JBC 2012の方法を用いた)。その結果、スフィンゴミエリンやホスファチジルコリンの脂質分子種において、上皮細胞にのみ存在する脂質分子種を同定することができた。更に、これらの上皮細胞特異的な脂質分子種の合成経路を検討し、それらに関わる酵素のアイソフォーム全てについてRT-PCR解析を行った。その結果、幾つかの上皮細胞に特異的に発現する脂質代謝酵素を同定することができた。今年度はこれらの脂質代謝酵素に対する抗体を作成した。また代謝酵素に対する抗体を作成するのと同時並行して、代謝酵素を効率よくノックダウンできるsiRNAの配列を探索した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、上皮細胞特異的な脂質分子種および脂質代謝酵素を順調に同定することができた。

今後の研究の推進方策

今後は、今年度同定した上皮細胞特異的な代謝酵素の発現を消失させた上皮細胞株を樹立して、管腔形成への影響を検討し、影響が出た場合はその分子メカニズムを解析する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Upregulated function of mitochondria-associated ER membranes in Alzheimer disease.2013

    • 著者名/発表者名
      Area-Gomez E
    • 雑誌名

      EMBO J.

      巻: 31 ページ: 4106-4123

    • DOI

      10.1038/emboj.2012.202.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lipid polarity is maintained in absence of tight junctions.2012

    • 著者名/発表者名
      Ikenouchi J
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 287 ページ: 9525-9533

    • DOI

      10.1074/jbc.M111.327064.

    • 査読あり

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公開日: 2018-02-02  

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