研究領域 | 上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立 |
研究課題/領域番号 |
24112527
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
永樂 元次 独立行政法人理化学研究所, 立体組織形成・解析ユニット, 副ユニットリーダー (40415097)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 形態形成 / 幹細胞 / 自己組織化 |
研究実績の概要 |
1-1、各イメージングプローブを発現するES細胞株の作成 安定的に蛍光プローブを発現するES細胞株を得るために、Rosa26遺伝子座においてCAGプロモーター制御下に蛍光プローブを発現できるノックインベクター(Rosa-CAG-XFP)を構築した。これらのベクターを用いてRxの遺伝子座にEGFPをノックインし、かつLifeAct(アクチン)、MLC2、EB3(微小管)、H2B(細胞核)の各分子の挙動を観察できる蛍光プローブを安定発現するノックインES細胞株を同様に作製した。また、カルシウム動態を観察できるGCaMP3を安定発現するES細胞株も同時に作製した。
1-2、自己組織的な眼杯形成過程における細胞骨格動態の経時観察 in vitroの眼杯形成におけるアクトミオシン動態を経時的に観察するために、前述したインキュベータ一体型多光子顕微鏡を用いる。このシステムは長期間立体イメージングを行うことができる。上記の各種蛍光プローブを安定発現するES細胞株から立体的な眼杯を形成させ、その過程におけるアクトミオシン動態を経時的に観察できる実験系を構築した。また眼杯構造の各領域(網膜色素上皮細胞、神経網膜、ヒンジ領域)の各細胞形態とアクチン繊維の局在について詳細に解析した。また、眼杯形成過程における細胞内カルシウム動態を解析した結果、眼杯形成過程に置いて自発的なcalcium transientが領域特異的には制していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた一連の細胞株の取得は問題なく達成できた。 また、カルシウム動態の解析により眼杯形成とcalcium transientについての新たな発見をすることもできた。 しかしながら、眼杯形成過程に置けるミオシン活性の時空間制御をイメージングする技術を確立するにはいたらなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、以下の通りに進める。 1)MLC2の細胞局在を可視化することの出来るES細胞株を作製する 2)今年度発見した自発的なカルシウム動態の眼杯形成における役割について、細胞骨格制御に注目して解析する。 このとき、ライブイメージング技術とともにコンピュータシミュレーションも行う。 3)眼杯形成過程の各領域の網羅的遺伝子発現プロファイリングを行う。
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