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2012 年度 実績報告書

マラリア原虫GCS1を基盤とした受精メカニズムの解明

公募研究

研究領域動植物に共通するアロ認証機構の解明
研究課題/領域番号 24112705
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関群馬大学

研究代表者

平井 誠  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50326849)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードネズミマラリア原虫 / 受精 / PbGCS1
研究概要

PbGCS1はオス側の受精因子であり、推定PbGCS1受容体はメス側に存在することが考えられる。この仮説に基づき、1)~2)のアプローチによりメス側に存在する推定PbGCS1受容体分子を含む新たな受精因子の同定に挑戦した。
1)マラリア原虫メス、およびシロイヌナズナとイネ卵細胞の比較トランスクリプトーム解析を行い、3者間において共通して存在する相同分子をPbGCS1受容体候補としてピックアップした。2)a)メス原虫特異的に発現する遺伝子PbSRのプロモーター下にGFPまたはdsRedをつなげたプラスミドを作成し、ネズミマラリア原虫のゲノム内に挿入した。b)同様に、オス特異的に発現する遺伝子(PB791030)のプロモーター下にGFPまたはdsRedをつなげたコンストラクトを作成、マラリア原虫にトランスフェクトした。蛍光を指標にしてセルソーターを用いて雌雄原虫を別々に単離した。3)1)と2)で得たデータからマラリア原虫の受精・性成熟に関係することが考えられる候補遺伝子を順次ノックアウト(KO)し、遺伝子欠損体の受精能を調べた。その結果、メス側の性成熟に関与する遺伝子1つを同定することに成功した(論文準備中)。この分子のC末にGFPを付加したタンパクを発現する組み換え原虫を作成し、抗GFP抗体で免疫沈降を行い、LC/MS/MS解析を行い、相互作用する因子の探索を行った。4)オス側で特異的に発現している遺伝子産物の中から、オスの性成熟(鞭毛放出)に関わる遺伝子を複数個同定することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度に計画していた3つの実験計画のうち、雌雄原虫をセルソーターにより別々に単離し、それらの膜タンパクプロテオーム解析というテーマが遅れている。
その理由は、セルソーターに分けるための元となる原虫を最適な状態で調製するための試行錯誤に時間を要した。これは、数多く繰り返すことで調整することが可能で、実際に繰り返し調製し、セルソーターにかけることにより次のステップである機器分析に供する十分量を調製することができた。遅延している本研究計画を次年度にも行い、データを取得できた。

今後の研究の推進方策

前年度では、セルソーターにより雌雄原虫を別々に単離する条件を決定した。本実験では、スケールアップして原虫をソーティングするための元となる雌雄原虫の調製に時間を要したが、何度かソーティングを行うことでLC/MS/MSに必要とされる量を確保し、機器分析にかかけることができた。この実験結果で浮かび上がってきたタンパクリストからマラリア原虫の受精への関係性を検証するため、順次ノックアウトし受精能を調べる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] CD8(+) T cell activation by murine erythroblasts infected with malaria parasites.2013

    • 著者名/発表者名
      Imai T, Ishida H, Suzue K, Hirai M, Taniguchi T, Okada H, Suzuki T, Shimokawa C, Hisaeda H.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 3 ページ: 1572

    • DOI

      10.1038/srep01572.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Resistance to Malaria by Enhanced Phagocytosis of Erythrocytes in LMP7-deficient Mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Duan X, Imai T, Chou B, Tu L, Himeno K, Suzue K, Hirai M, Taniguchi T, Okada H, Shimokawa C, Hisaeda H.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 8 ページ: e59633

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0059633.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Toward understanding the role of mitochondrial complex II in the intraerythrocytic stages of Plasmodium falciparum: gene targeting of the Fp subunit.2012

    • 著者名/発表者名
      Tanaka TQ, Hirai M, Watanabe Y, Kita K.
    • 雑誌名

      Parasitol Int

      巻: 61 ページ: 726-8

    • DOI

      10.1016/j.parint.2012.06.002.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Critical roles of the mitochondrial complex II in oocyst formation of rodent malaria parasite Plasmodium berghei.2012

    • 著者名/発表者名
      Hino A, Hirai M, Tanaka TQ, Watanabe Y, Matsuoka H, Kita K.
    • 雑誌名

      J Biochem

      巻: 152 ページ: 259-68

    • DOI

      10.1093/jb/mvs058.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] One Injection of DsRed Followed by Bites from Transgenic Mosquitoes Producing DsRed in the Saliva Elicits a High Titer of Antibody in Mice.2012

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka H, Sano G, Hattori R, Tomita H, Yamamoto DS, Hirai M.
    • 雑誌名

      Trop Med Health.

      巻: 40 ページ: 47-52

    • DOI

      10.2149/tmh.2011-10.

    • 査読あり
  • [学会発表] マラリア原虫をやっつける~その驚異、生態、新たな対策2012

    • 著者名/発表者名
      平井 誠
    • 学会等名
      第2回 WIAS Top Runners’ Lecture Collection of Science
    • 発表場所
      早稲田大学高等研究所
    • 年月日
      20121214-20121214
    • 招待講演
  • [学会発表] 比較トランスクリプトームによるマラリア原虫受精因子の探索2012

    • 著者名/発表者名
      平井誠、安彦真文、岡本龍司、本間一、鈴江一友、今井孝、堀井俊宏、田邉和裄、久枝一
    • 学会等名
      第10回分子寄生虫・マラリアフォーラム、第72回日本寄生虫学会東日本支部会 合同大会
    • 発表場所
      群馬大学医学部
    • 年月日
      20121012-20121013

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公開日: 2015-05-28  

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