研究領域 | ゲノム・遺伝子相関:新しい遺伝学分野の創成 |
研究課題/領域番号 |
24113509
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤本 龍 新潟大学, 自然科学系, 助教 (60620375)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 雑種強勢 / ヘテローシス / トランスクリプトーム / エピジェネティクス / アブラナ科 |
研究実績の概要 |
動植物では、同一種内のある特定の両親間の組合せにより得られたF1雑種個体が、両親の特性よりも優れた形質を示す雑種強勢 (ヘテローシス)という現象が知られている。本研究では、雑種強勢が強く見られるハクサイ (Brassica rapa)を用いて、その分子機構の解明を目指す。 ハクサイの市販F1品種2系統 (W39、W77)において雑種強勢がどのように現れるかを初期生育 (播種~播種後2週間)と生育後期 (収量)について調べた。2つのF1両方とも、播種後4日に、子葉の面積が両親系統に比べて顕著に大きくなり、これ以降、F1では葉面積及びバイオマスで雑種強勢が見られた。また、渡辺採種場との共同研究で、ほ場における生育調査を行い、両系統ともにF1が収量において30%以上増加することを確認した。 F1雑種で見られる転写の変化を明らかにする為に、ハクサイのF1品種2系統 (W39、W77)と両親系統について、4つの生育ステージ (播種後2、6、10、14日)でRNA-sequencing (RNA-seq)法による転写解析を行った。W77系統においては、解析が終了し、両親系統の平均値とF1で発現量が異なる遺伝子をそれぞれのステージで同定した。また、quantitative RT-PCRを行い、RNA-seqにより得られた結果の確認を行った。W39においてもシークエンス (RNA-seq)は既に終了しており、現在、解析を進めている。さらに、small RNAについても、W77とその両親系統について、2つの生育ステージで調べており、シークエンスは終了し、現在解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度、本研究テーマで新学術領域『ゲノム支援』に採択されたことで、当初予定していたよりも多くのサンプル数のシークエンス解析を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在得られた2組のRNA-seqデータセットの解析を進め、雑種強勢との関連性が見られる遺伝子発現変化を探し出す。さらに、エピジェネティクス修飾の比較解析や、F2世代を用いたQTL解析を行う。
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