(1) 異なる親由来のMPK、WRKY2、POZの相互作用が体軸形成に果たす役割の検証 シロイヌナズナ培養細胞の一過的発現系を用いたゲルシフト解析によって、WRKY2タンパク質がリン酸化されることを直接的に示した。また、WRKY2やPOZなどが欠損した変異体の表現型の強度にはバラつきがあるものの、いずれもWOX8の過剰発現によって相補されることを見出したことから、これらが同一経路で働くことを示すことができた。 (2) 父母因子の制御下で胚発生を担う因子の網羅的探索 野生型とwrky2変異体のそれぞれから単離した受精卵を用い、次世代シーケンサーによる大規模発現解析をおこなった(カナダ・NRC-PBIのRaju Datla博士との共同研究)。詳細なデータ解析の結果、wrky2変異体で特異的に発現量の低下していた27遺伝子を見出し、それぞれについて欠損株を入手して解析したところ、受精卵や初期胚形成に異常を示す株が見つかった。現在、受精卵極性やパターン形成のさまざまなマーカーをこの変異体に導入中であり、形質転換体が得られ次第、詳細な解析をおこなう。
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