研究領域 | ゲノムを支える非コードDNA領域の機能 |
研究課題/領域番号 |
24114519
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 伸介 独立行政法人理化学研究所, 免疫器官形成研究グループ, 基礎科学特別研究員 (50612115)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | CXXCドメイン / DNA脱メチル化 / CXXC1 / H3K4me3 |
研究実績の概要 |
哺乳動物のゲノムは高頻度でCpGにDNAメチル化修飾を受けている一方で、一部の例外的なゲノム領域、CpGアイランド (CpG island: CGI)は、一般的にCpGにDNAメチル化修飾を受けていない。興味深いことにCGIは、現在までに注釈のついた遺伝子の約70%の転写開始点前後に存在してプロモーターとしての機能をもっており、遺伝子発現制御において非常に重要な非コードDNA領域であることが明らかになりつつある。CGIのDNA配列をみてみると単にGC含量に富んだ領域であるようにみえるが、転写因子やエピジェネティック修飾因子は巧妙に転写のonとoffを時間的・空間的に使い分けている。しかしながら、その分子機構はほとんど明らかになっていない。本研究課題では、CGIに結合するCXXCドメインをもつタンパク質 (以降CXXCタンパク質) に焦点を当てて、この分子機構の解明に挑戦する。そのなかでもCXXC1に着目して機能解析を行った。 CGIは概してヒストンH3K4me3の修飾を受けており、CXXC1はこのH3K4me3の修飾酵素を含むタンパク質複合体を構成している。そのため、CXXC1をノックアウトしたマウスES細胞ではH3K4me3のレベルが減少することが推測された。しかしながら、ChIP-seqによる解析をおこなったところ、H3K4me3が減少する領域が観察された一方で、H3K4me3のレベルが変化しない、あるいは上昇するゲノム領域が観察された。また、遺伝子発現レベルの変化をマイクロアレイにより解析したところ、H3K4me3が上昇する遺伝子は、その発現が上昇する傾向がみられた。現在はこのようなH3K4me3の変化に違いがみられる要因を引き続き解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに課題は進んでおり、興味深い現象も見出しているため、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに課題は進んで、興味深い現象も見出しており、更にメカニズムを明らかにできるように更に解析を進めていく。
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