公募研究
アクアポリンは水などの非イオン性極性低分子の生体膜透過性を司るチャネルタンパク質であり,CO2を透過する分子も存在する.アクアポリン遺伝子はひとつの植物ゲノム上に30以上あるが,CO2を透過する分子種は未だ不明だった.本研究では,アクアポリンのCO2透過性および非透過性分子種を同定するとともに,CO2透過性に関わるアミノ酸のひとつを同定した.本研究以前は,PIP1型アクアポリンが主にCO2を透過するとされていたが,昨年度の本研究によりPIP2型アクアポリンに二酸化炭素透過性の高い分子が多数存在することを発見していた.本年度はさらにオオムギの二酸化炭素透過性を詳細に解析した結果,PIP2;1, PIP2;2, PIP2;3, PIIP2;5はCO2を透過し,PIP2;4はCO2を透過しないことが確定した.PIP2;3とPIP2;4はアミノ酸がわずかに6つ異なることから,相互にアミノ酸置換を行うことでCO2透過性の差異に関わるアミノ酸を決定した.PIP2;3の254番目のイソロイシン残基がPIP2;4のようにメチオニンに変わるとCO2透過性を喪失するが,水透過性には違いが見られなかった.この研究はアクアポリンのCO2透過性の分子構造的機構を明らかにした世界初の例である.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant and Cell Physiology
巻: 55 ページ: 251-257
10.1093/pcp/pcu003
Plant Physiology
巻: 163 ページ: 600-610
10.1104/pp.113.223826