研究領域 | 少数性生物学―個と多数の狭間が織りなす生命現象の探求― |
研究課題/領域番号 |
24115504
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
丹羽 達也 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (50588530)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 分子シャペロン / タンパク質フォールディング |
研究実績の概要 |
本研究では、細胞内の発現量が少ないタンパク質に対し、分子シャペロン及びプロテアーゼ感受性をin vivoおよびin vitroにおいて調べることを目標としている。今年度では主にin vitroにおける実験の準備を進めてきたが、in vitroでのタンパク質発現系、分子シャペロンおよびプロテアーゼの準備はほぼ完了しつつある。一部のプロテアーゼについては、大腸菌内での大量発現までは確認できたものの、活性を有した状態での精製条件を検討している最中である。また発現させる微量タンパク質の遺伝子についても、遺伝子ライブラリからの準備が進みつつある。一方で、in vivoにおける観察の準備として、発現ベクターの準備および生細胞観察のための蛍光顕微鏡の準備も同時に行っている。顕微鏡については従来の水銀ランプによる励起では不十分なシグナルしか得られないことが示唆されたため、レーザー光源を用いて落射および斜光による照明が行えるように改良したことで、微弱なシグナルも追う事ができるようになりつつある。顕微鏡のセットアップについては、小さな大腸菌を大きく拡大して観察できるように、中間変倍を加えるなどのチューンアップを行っていく予定である。また、特定のシャペロン(GroEL/ES)について、個別に細胞内の基質を詳細に調べていった結果、一部の微量タンパク質について、実際にGroEL/ESの細胞内での基質となることが明らかとなった(Niwa T. et. al. 投稿論文準備中)。上記のような微量タンパク質のin vitroおよびin vivoにおける観察を進めつつ、かつ各シャペロン及びプロテアーゼの細胞内での振る舞いを調べていくことで、今まで知られていなかった微量タンパク質のフォールディングに関する性質を明らかにし、生体内における微量タンパク質の存在の生物学的な意義についての理解を深めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要の項で述べた通り、in vitroにおける実験の解析結果は出ていないものの、その準備はほぼ完了しており、次年度(平成26年度)のはじめには解析結果を出せるであろう状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要の項でも触れた通り、今後はin vivoでの観察に重きを置いていくことになる。共同研究者と密に連携を取りながら、装置のセットアップ等について学びつつ、様々な条件を試して最適な観察条件を探していく。
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