研究領域 | 非コードRNA作用マシナリー |
研究課題/領域番号 |
24115704
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多田隈 尚史 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (10339707)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 生物物理 / 1分子計測(SMD) / 核酸 / 蛋白質 |
研究概要 |
RNA干渉は、20-30残基長の短いRNA鎖を含んだRISC(RNA-induced silencing complex) と呼ばれるRNA-蛋白質複合体(RNP)が、標的RNAを認識・切断する現象であり、細胞内の様々な制御に関わっている。本課題では、RNA干渉の分子機構を探る為に、蛍光1分子観察技術を用いて、リアルタイム観察を行った。本年度は、RISCの形成過程と、標的切断の過程の観察を行った。RISC形成過程では、Argonaute蛋白質(以下Ago)に短いRNA鎖(以下siRNA)がHsc70 / Hsp90を中心としたシャペロンの助けを借りて、取り込まれるが、どの段階で、どのようにシャペロンが寄与しているのかは明らかでなかった。そこで、Ago、RNA鎖をそれぞれ蛍光標識して観察を行った。ガラス基板にAgoを固定し、蛍光標識RNA鎖やシャペロン等の必要因子を加えると、蛍光RNA鎖がAgoに取り込まれ、RISCが形成される様を観察することに成功した。詳細に解析を行った結果、シャペロンはsiRNA/Dicer-2/R2D2複合体がAgoに結合する時間を引き延ばす事でRISC形成効率に寄与している事が明らかになった。標的切断過程の観察では、蛍光標識した標的RNAをガラス基板上に固定し、蛍光標識RISCの相互作用と標的切断の様子を観察した。その結果、RISCは2つのドメインを上手く使い分けて、効率的に切断を行っている事が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、蛍光1分子観察技術を用いて、RNA干渉の分子機構を理解する事を目標としている。初年度は、RISC形成や切断活性の1分子可視化に成功し、分子機構の一端が明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
引続き、RNA干渉の分子機構を探り、多種多数の分子による協調反応機構の解明に努める。また、今後のより詳細な解析の為に基盤となる1分子観察技術の開発に努める。
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