研究概要 |
本研究の目的は、血球-血管内皮共通前駆細胞におけるLSD1機能の発現機構と、個体発生過程におけるFADやNAD+などの生命素子の量的変動の影響、の解明である。個体レベルでの解析を戦略とし、ゼブラフィッシュの突然変異系統やトランスジェニック系統を用いて行う。特に、これまで研究代表者が開発した造血関連系統を活用する。 FAD合成酵素であるFAD合成酵素1(Flad1)及びリボフラビンキナーゼ1(Rfk1)の遺伝子ノックダウンにより、造血を始めとする発生過程に特異的な障害が出ることがわかったので、本年度は、より遺伝学的にこの現象を検証するために、TALEN法を駆使した遺伝子ノックアウトゼブラフィッシュの作成を試みた。ノックアウト構築の作成は成功し、ノックアウト系統の系統化に取り組んだ。一方、Notchシグナルとの関連性を明らかにするために、Notch過剰発現型トランスジェニックフィッシュを育成し、LSD1変異系統との二重変異系統の作成に成功し、解析を行った。同様に、各種GFPレポーター系統(Fli1-GFP, Kdrl-GFP, Gata1-GFP)とLSD1変異系統との二重変異系統を作成し、解析を行った。
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