公募研究
脂肪細胞分化過程における代謝を、細胞外フラックスアナライザーを用いて解析したところ、分化にともない、解糖系、酸素消費量が大きく亢進した。脂肪細胞分化過程におけるメタボローム解析から、解糖系ならびにTCAサイクル代謝物に顕著な変化が見られた。なかでもαKGは3倍上昇し、JmjCヒストン脱メチル化酵素(JHDM)を制御している可能性が考えられた。αKGはTCAサイクルでイソクエン酸からイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH) によって合成される。マイクロアレイ解析から、IDH3α,β、γ遺伝子の発現が分化とともに急上昇した。さらにIDH3γ をノックダウンしたところ、PPARγならびに脂肪細胞分化マーカー (Fabp4, AdipQ) の発現にはほとんど影響をおよぼさず、解糖系遺伝子 (Slc2a4, Hk2) の発現が低下し、これに伴い脂肪の蓄積が激減することを見出した。以上より、脂肪細胞において内在性IDH3によるαKGの産生が、JHDMの活性化を制御して、ヒストン修飾・クロマチン構造変化を誘導する可能性を見いだした。このことは、IDH3は脂肪細胞での脂肪のためやすさ、脂肪の燃えやすさを決定している可能性をも示唆する。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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