研究領域 | 生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御 |
研究課題/領域番号 |
24116514
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二村 圭祐 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00462713)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 心臓 / 転写 / ゲノム / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
心臓発生においてATP産生関連遺伝子を大量に発現させる転写環境を解明し、転写環境の破綻によるATP量の変動が心筋細胞の分化・増殖、心臓の形態形成や拍動に与える影響を明らかにするとともに、その破綻による先天性心疾患の発症機構を理解し、新たな治療法開発の基盤を確立する。そのために、A:ATP産生を変動させる転写因子やエピジェネティック因子のスクリーニング、B:ATP産生を変動させる転写因子やエピジェネティック因子の標的ATP産生関連遺伝子群の同定、C:ATP産生関連遺伝子を高発現させるためのクロマチン立体構造とヒストン修飾の同定、について研究を行った。 A:ATP産生を変動させる転写因子やエピジェネティック因子のスクリーニングについては、先天性心疾患の原因となる転写因子やエピジェネティック因子のノックダウンもしくはノックアウトを行い、マウス胎仔心筋細胞を回収し、ATP量の計測を行った。その結果、発生中の心筋細胞においてATP産生を制御している因子を複数同定することに成功した。B:ATP産生を変動させる転写因子やエピジェネティック因子の標的ATP産生関連遺伝子群の同定については、ATP産生量を制御する因子の発現抑制を行い、RNAseqによって発現変動する遺伝子を同定した。C:ATP産生関連遺伝子を高発現させるためのクロマチン立体構造とヒストン修飾の同定については、マウス胎仔心筋細胞において複数の遺伝子でクロマチンの立体構造を同定することに成功した。さらに、このクロマチン構造を維持するために必要な因子の同定にも成功した。 以上のことから、当該年度の研究目的は十分達成することができたと考えられる。本年度の研究については、昨年度より引き続き、研究計画書に基づいて遂行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
発生中の心筋細胞においてATP産生を制御する転写因子、エピジェネティック因子の同定に成功した。また、これらの因子の発現抑制によって、これらの因子によって制御されている遺伝子の同定することができた。また、心筋細胞において高発現している遺伝子のクロマチン構造を同定すると共に、この構造を維持するために必要な因子の同定できた。以上のことから、当該年度の研究目的は十分達成することができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究については、昨年度より引き続き、研究計画書に基づいて遂行する。昨年度の研究費は主に、消耗品、学会出張費に使用した。本年度においては、人件費、消耗品、学会出張費などに研究費を使用したい。
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