公募研究
DNAメチル化修飾は、転写制御、特にその抑制に寄与しており、メチル化模様は胚発生初期、生殖細胞、終末分化時に書き換えられている。したがって、DNAの脱メチル化はメチル化制御にとり重要なステップである。メチル化されたシトシン塩基(5mC)のヒドロキシル化(5hmC)が脱メチル化の印となっていることが最近報告されている。本研究計画では、メチル化されたDNAの中からどのように特定のメチル化部位が選びだされヒドロキシル化されているのかを明らかにする。これにより、未分化恒常性と分化刺激による細胞内外のシグナルにより、DNAメチル化模様がどのように制御されているのかを解明することを目指す。胚性幹細胞では新規メチル化模様を形成するDnmt3aとDnmt3bが書き込んだ5mCが選択的に5hmC化されていることを明らかにした。また、Dnmt1は5hmC化修飾を受けたDNAをほとんどメチル化できないこと、さらに、維持メチル化に必須な因子であるUhrf1のヘミメチル化DNA結合領域は5hmC修飾を受けたDNAに結合できないことを明らかにした。この結果はDnmt3aやDnmt3bによって5hmC修飾を受けたゲノム領域は複製の過程で受動的に脱メチル化されることを示している。成果を論文として発表した。胚性幹細胞から分化させた神経前駆細胞における5hmCと5mCの分布を調べ、5hmCのピークが転写開始点(TSS)の上流1kbに分布しており、5mCはTSS上流に幅広く分布していることを明らかにした。興味深いことに、5hmCと5mCが共在するプロモーター領域では、5hmCと5mCの存在するピークが重ならない領域が見出された。プロモーター領域に5hmCと5mCが共存する遺伝子のmRNAの発現量を調べたところ、5hmCと5mCの存在するピークの相対位置と転写活性の間に相関を認めた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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