公募研究
Toll-like receptor 7 (TLR7)は全身性エリトマトーデスのモデルマウスにおいて原因となる受容体として報告されている。我々の研究でもTLR7に関わる分子Unc93b1の点突然変異によりTLR7の反応が増強すると、マウスにおいて全身性の炎症が起こり死に至ることがノックインマウスを作製して明らかとなった。そのTLR7とTLR7に会合する分子Unc93b1に特異的に会合する分子はSmall G proteinのArl8bであることが液体クロマトグラフィータンデム質量分析法にて明らかとなった。そのノックアウトマウスはB細胞と古典的樹状細胞(cDC)においてTLR7の反応性が著しく高く、その原因の一つにTLR7のタンパク量が増強することであることが明らかとなった。TLR7のmRNAのレベルではノックアウトマウスのものと野生型のもので変わりがないことから、TLR7のタンパクの分解がArl8bノックアウトのcDCでは非常に悪いことが考えられた。これはArl8bがTLR7の分解を制御していることを示唆する。しかし、これらTLR7の反応性が増強するにも関わらず、全身性の炎症が認められなかった。これは形質細胞様樹状細胞(pDC)の反応性が著しく減少しているからではないかと推測された。特にpDCから産生される1型インターフェロンの産生が顕著に抑制されていた。そしてArl8bがpDCにおけるインターフェロン産生の抑制にmTorC1が関わっている可能性が高いことを明らかにしつつある。そのためSLEのモデルマウスであるMRL-lprマウス、SLEの誘導モデルであるプリスタン投与によって認められるSLEの発症がArl8bノックアウトマウスでは著しく抑制されていることを明らかにしつつある。これら2つの現象はそれぞれNature Immunologyに投稿予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Immunology
巻: 26 ページ: in press
10.1093/intimm/dxt071
Nature Communications
巻: 4 ページ: 1949-1958
10.1038/ncomms2949
巻: 25 ページ: 413-422
10.1093/intimm/dxt007.
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/publication/annualreport/