研究領域 | 内因性リガンドによって誘導される「自然炎症」の分子基盤とその破綻 |
研究課題/領域番号 |
24117719
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
河野 肇 帝京大学, 医学部, 准教授 (60585074)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 自然炎症 / TLR / HDL / IL-1 / インフラマソーム |
研究概要 |
(1) sykコンディショナルノックアウトマウスを導入し、タモキシフェン感受性Lyz-creトランスジェニックマウスとの交配を開始している。このことにより、骨髄球系における選択的sykノックアウトマウスの作成ができる。 (2) 動脈硬化の成因に血管内皮下におけるコレステロール結晶が惹起する炎症反応が関与している可能性を示しているが、その際にマクロファージはpyroptosisという細胞死に陥る。そしてその細胞死は、近隣にある細胞のTLRなどの自然免疫受容体を介して感知され、さらなる炎症が惹起される可能性が示唆されている。われわれはTLRリガンドとd-Galactosamineを用いたin vivoの肝障害システムを利用し、抗動脈硬化のあるHDLがTLRシグナルを阻害する現象を見いだした。 (3) IL-1beta依存性炎症において、Caspase 1が欠失していても炎症が通常通り惹起されることが観察され、in vivoにおけるCaspase 1とCathepsin Cのダブルノックアウトマウスの解析を進めた。この結果、死細胞や無菌的微粒子に対する急性炎症反応は、IL-1bet a依存性であるが、炎症の時間や、炎症惹起物質の種類などによってそれぞれが相加的に、協同的に機能することが明らかとなった。 ただし、Caspase 1とCathepsin CダブルノックアウトマウスにおいてもIL-1betaノックアウトマウスとの機能に差異がある状況が観察され、さらに別のIL-1beta成熟分子が働いている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
sykコンディショナルノックアウトマウスにおいて、その作成が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
sykコンディショナルノックアウトマウスの作成を進め、invivoにおけるsykの関与について検討する。
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