研究領域 | 内因性リガンドによって誘導される「自然炎症」の分子基盤とその破綻 |
研究課題/領域番号 |
24117721
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
井田 弘明 久留米大学, 医学部, 准教授 (60363496)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 自己炎症 / 自然炎症 / プロテアソーム / 活性酸素種 |
研究実績の概要 |
自己炎症症候群である中條-西村症候群(Nakajo-Nishimura syndrome:NNS)は、プロテアソームの一つのコンポーネントの変異(PSMB8)によるプロテアソーム機能不全症であり、ユビキチン化蛋白、酸化蛋白の蓄積後、慢性炎症が生じている。今年度は、ストレスによって生じ、炎症に関わる活性酸素種(ROS)に注目した。 NNS患者由来線維芽細胞、患者の親由来線維芽細胞、健常者由来線維芽細胞を使用、LPS刺激後、活性酸素種(ROS)(蛍光プローブ)と核の染色(Hoechst)を蛍光顕微鏡で観察した。 結果 1) LPS刺激1.5時間後にNNS患者由来線維芽細胞でROSの蓄積がみられた。患者の親由来線維芽細胞、健常者由来線維芽細胞では、ROSの蓄積はほとんどみられなかった。2) ROSの蓄積がみられたNNS患者由来線維芽細胞には、アポトーシスの変化(クロマチンの凝集)はみられなかった。 以上の結果から、プロテアソーム機能不全によるROS蓄積によって炎症が惹起されている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中條-西村症候群(Nakajo-Nishimura syndrome:NNS)の患者検体からの実験、iPS細胞樹立はできているが、TNF受容体関連周期熱症候群(TNF receptor-associated periodic syndrome:TRAPS)からの患者検体がまだ得られていないため、その分野の研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
中條-西村症候群(Nakajo-Nishimura syndrome:NNS)の患者の線維芽細胞、iPS細胞を使用した実験を進める。 TNF受容体関連周期熱症候群(TNF receptor-associated periodic syndrome:TRAPS)からの患者検体を得るように努力する。
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