公募研究
多彩な慢性炎症症状を呈する自然変異マウスであるcpdmマウスの原因遺伝子は、直鎖状ポリユビキチン鎖を選択的に生成するLUBACリガーゼのサブユニットの1つSHARPINである。研究代表者は、新たにcpdmマウスにおいて腹腔内のB1b細胞数が異常に上昇していることを発見したことから、本研究課題ではB1細胞がcpdmマウスの慢性炎症における役割とcpdmマウスの原因遺伝子SHARPINのB1細胞発生における役割を解析することを目的とした。平成24年度には、B細胞特異的にSHARPINを欠損させたマウスの解析を行い、cpdmマウスにおけるB1b細胞の上昇はB細胞におけるSHARPINの欠損が原因ではなく、他の組織におけるSHARPINの機能不全によって2次的に引き起こされている事を明らかにしている。本年度は、T細胞特異的にSHARPINを欠損させたマウスの解析を行い、T細胞におけるSHARPINの機能不全はB1b細胞の増加に関係ない事を明らかにした。さらに慢性皮膚炎がB1b細胞の増加を引き起こしている可能性について皮膚特異的にSHARPINを欠損させたマウスを作製し解析したところ、このマウスはcpdmマウスと同様な皮膚炎を呈したが、B1b細胞の増加は認めなかった。現在、どの組織、細胞におけるSHARPINの欠損がB1b細胞の増加を引き起こすのかをさらに検討している。また、LUIBACのB細胞における役割について解析を行った結果、LUBACがTD、TI-II抗原両方に対する抗体反応に必須の機能を持つ事、CD40やTACI等のTNFRスーパーファミリーに属する分子の下流における古典的NF-κBの活性化には必要であるが、BCRの下流における古典的NF-κBの活性化には必要ない事を明らかにした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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EMBO Journal
巻: 32 ページ: 2463-2476
10.1038