研究実績の概要 |
・RORgt陽性自然リンパ球に作用する腸管由来シグナルの検討 Microfold細胞(M細胞)は管腔側の細菌を抗原採取のために特別に分化した腸管上皮細胞の一種である。M細胞の分化にはTNFファミリーサイトカインの一種、Tnfsf11(RANKL)刺激が必要であることが既に報告されている(Knoop et al., J Immunology, 2009)。平成24年度は、M細胞を介した細菌由来の抗原刺激がRORgt陽性自然リンパ球の分化および機能的成熟に関与するかを検討する目的でRANKL欠損マウスの小腸粘膜固有層からリンパ球分画を調整した後、RORgt陽性自然リンパ球の表面抗原およびIL-22およびIL-17Aの発現を検討した。その結果、RANKL欠損マウス由来RORgt陽性自然リンパ球は数的に対照群と同等であり、CD4+/-,NKp46+/-角4分画のサブセットの比率およびIL-17A, IL-22産生能においても有為差が認められなかった。また、過去の報告どおり、腸管パイエル板および回腸における孤立リンパ濾胞の形成にも差異が認められなかった。
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