研究領域 | 精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学 |
研究課題/領域番号 |
24118501
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
文東 美紀 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00597221)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | DNAメチル化 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
1. DNAメチル化解析のスタートサンプルとしての唾液の有用性を検討するため、健常者20名分の唾液、血液試料から得たDNAを使用して、ゲノム上の約40万か所のメチル化率のデータを取得した。唾液サンプルからのメチル化解析は、バクテリアDNAの混入などの問題があると考えられたが、データ取得は問題なく完了した。予備的な解析の結果では、血液サンプル内、唾液サンプル内における相関のほうが、個人内の唾液―血液の相関より大きいことが示された。今後の解析により、唾液・血液DNAメチル化の全体的、部分的な相関などを検討していく予定である。 2. コホート研究のマーカーにDNAメチル化を用いる場合、個人間のメチル化変動が大きいDNA部位を選択することが重要である。今回、精神疾患との関与が多く報告されているBDNF遺伝子のプロモーター領域を候補領域として、約100名分の健常者のDNAメチル化データを取得した。今後、DNAメチル化変動率の大きい部位の探索を行い、マーカーとして有用であるか検討を行う。 3. 次世代シーケンサーを利用した、新しいDNAメチル化測定技術の検証を行った。次世代シーケンサーを使用したメチル化解析は従来よりも精度が良く、測定範囲の広いメチル化測定が可能であると思われるが、まだほとんど実績がない。今回はIllumina社のMiSeqを使用して解析を行った。現在予備的なデータが取得できており、従来のDNAメチル化測定法で得られた結果との比較を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全ての項目で、実験部分であるデータ取得までは終了しており、今後はデータ解析が主となる。 来年度中に、全てのテーマの解析は終了見込みと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は得られたデータをもとに、1. 唾液と血液における、組織間、個人間の相関の検証をすすめ、唾液DNAのマーカーとしての有用性を検討する、2.コホートにおけるメチル化マーカーに適した、個人間で変動の大きい領域を同定する、3.次世代シーケンサー(Miseq)におけるメチル化測定のアプリケーションを確立する。
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